安倍氏「国葬」賛成42% 反対49% 世代で差、40代境に賛否が逆転 熊日S編アンケート

熊本日日新聞 | 2022年7月21日 09:00

 政府が決めた安倍晋三元首相の「国葬」について、熊日は「SNSこちら編集局」(S編)の登録者を対象にアンケートを実施した。「どちらかといえば」を含めて賛成42・9%、反対49・6%となり、反対がやや上回った。30代以下の若い世代では賛成が50%を超える一方、50代以上では反対が半数以上で、年代によって意見が分かれた。

 アンケートは多くの国民の意見を集めるのが目的で、無作為抽出する世論調査とは性格が異なる。15~19日に実施し、回答者は2279人。内訳は男性4割で女性が6割。熊本県内が9割、県外が1割だった。

 全体では賛成30・1%、どちらかといえば賛成12・8%に対し、反対は33・5%、どちらかといえば反対は16・1%だった。どちらともいえないは7・5%。

 年代別では、20代以下はどちらかといえばを含む賛成が59・4%を占めた。30代も賛成が51・4%。これに対し60代は、どちらかといえばを含む反対が60・4%と多数で、70代以上も反対56・4%、50代も反対52・5%だった。40代では賛否がほぼ拮抗[きっこう]した。

 男女別では、女性は反対が50%を超えた。

 賛成意見では、理由として歴代最長だった安倍氏の首相在任期間が挙がったほか、安倍氏の政治手腕、特に外交面における存在感への評価が目立った。熊本地震後の支援に対する感謝のほか、「国民に親しみを感じさせるキャラクターだった」(熊本市、40代女性)との声も。ロシアを念頭に「貴重な弔問外交の機会になる」(同、50代男性)との指摘もあった。

 反対意見では「説明責任がある案件が多く、関連して官僚1人が亡くなっていることを考えると疑問がある」(同、70代以上男性)など、桜を見る会や森友・加計学園問題を理由に挙げた人が多かった。「国葬の定義が分からない」(合志市、40代男性)との意見も目立ち、現役の首相ではない点や、旧統一教会との関係の検証を求める声もあった。(太路秀紀)

■「国際的リーダー」「税金を使ってほしくない」…国葬の基準「わからない」の声も

 アンケートでは、安倍晋三元首相の生前の「功績」や「疑惑」を踏まえた国葬への賛否のほか、「国葬の基準」の不明確さを指摘する声が目立った。

 賛成の理由は「各国のリーダーからの信頼も厚い人で、国際的リーダーだと思うから」(熊本市、40代女性)、「歴代最長の総理大臣ということにリスペクトするべき」(同、30代男性)などの意見があった。

 熊本地震の復興やアベノミクスへの評価から「親しみがあった」(山鹿市、50代女性)といった声とともに、「国葬の場が外交の場も兼ねていると思う」(阿蘇市、20代男性)、「外交、警備の観点から公式な場を設けるのが適切」(あさぎり町、40代男性)など、国葬そのものへの期待や安全面を考慮した意見も。

 反対の理由は「森友・加計問題やら桜を見る会などで税金の無駄遣いをした人に、これ以上税金を使って欲しくない」(熊本市、50代男性)、「森友問題で自殺された赤木さんの命も同じたったひとつの命です。一方で国葬というのはあんまり」(益城町、40代女性)などだった。

 ほかにも「岸田総理の保守対策にしか見えない」(熊本市、50代男性)、「国葬が政治的に利用されそう」(御船町、70歳以上男性)、「感情的な追悼ムードに既にへきえきしています」(南阿蘇村、40代女性)との声も寄せられた。

 「どちらともいえない」の理由には「国葬に値する人の基準がわからない」(熊本市、60代女性)、「選ぶ基準が難しい。たまたま自民党政権だから国葬なのか」(同、60代男性)といったコメントが。「旧統一教会との関連を明らかにしてほしい」(合志市・30代女性)との意見もあった。(立石真一)

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