くま川鉄道、25年度に全線再開へ 豪雨で流失の橋梁復旧にめど

熊本日日新聞 | 2022年06月22日 07:00

球磨川と川辺川(左)の合流地点にあり、洪水で橋脚部分だけが残った球磨川第四橋梁=2021年6月、相良村・錦町(高見伸、小型無人機で撮影)

 2020年7月豪雨で被災し、一部区間で運休が続く第三セクター・くま川鉄道(熊本県人吉市)が25年度中に全線再開する見通しとなったことが21日、関係者への取材で分かった。流失した球磨川第四橋梁(相良村、錦町)の架け替え工事のめどが立ったためで、被災から5年の節目での完全復旧を目指す。

 くま川鉄道は昨年11月、全線24・8キロのうち比較的被害が小さかった肥後西村[にしのむら](錦町)-湯前(湯前町)の18・9キロで運行を再開。一方、通学を中心に沿線で最も需要のある人吉温泉(人吉市)-肥後西村の5・9キロは再開時期が不透明だった。

 関係者によると、復旧事業で最大の工事となる第四橋梁の設計が完了し、スケジュールの見通しがついた。概算で約46億円だった全線の復旧費は、精査によって約50億円に増加する見込み。

 くま川鉄道の復旧に当たっては、過去3年間赤字の鉄道会社に対して国が事業費の97・5%を実質負担する大規模災害の特例支援措置が適用される。残りの2・5%分は県や人吉球磨地域の市町村が負担するため、同社の持ち出しはゼロになる。

 県や地元市町村は被災後、くま川鉄道再生協議会を設立し、同社の支援策を協議。国の特例措置を受ける前提として、自治体などが鉄道の施設や用地を保有し、運行事業者の負担を軽くする「上下分離方式」の導入を決めている。

 くま川鉄道は、人吉市や球磨郡9町村、民間企業などが出資する第三セクター。JR九州の湯前線を引き継いで1989年に開業した。

 7月豪雨による鉄道の被災では、くま川鉄道と接続するJR肥薩線でも甚大な被害が生じ、県内全区間を含む八代-吉松(鹿児島県)で運休中。国土交通省と県、JR九州の3者が「鉄道としての復旧」を前提に今後の在り方を議論している。(内田裕之)

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