肥薩線の復旧費235億円、国が半分以上「肩代わり」 鉄道での再建促し調整 JR負担、実質50億円未満に

熊本日日新聞 | 2022年05月19日 06:16

豪雨による洪水で流失したJR肥薩線の第二球磨川橋梁(手前)=2020年7月5日、球磨村渡(後藤仁孝)

 2020年7月豪雨で甚大な被害を受けた熊本県のJR肥薩線の復旧費約235億円のうち、半分以上の百数十億円を公共工事で「肩代わり」できるとの試算を国土交通省が示す方向で調整していることが18日、関係者への取材で分かった。さらに被災鉄道の復旧を支援する国の補助制度を活用すれば、JR九州の実質負担額は50億円を下回る見通し。

 国交省は、鉄道としての再建に向けてJR九州の決断を促すには、同社の負担額を可能な限り圧縮する踏み込んだ支援が必要と判断したとみられる。国交省と県、同社が20日に熊本市で開く第2回肥薩線検討会議でこの案を提示する。

 具体的には、肥薩線と多くの区間で重なる球磨川や国道219号の災害復旧事業と連携させる考え。流失した球磨川第一橋梁[きょうりょう]と第二球磨川橋梁は、前後区間で国が河道掘削や引き堤の治水対策を進める際、補償工事などの位置付けで一部を整備する。被災した線路敷も、並行する国道219号などの工事用道路として復旧・活用することでJRの費用負担を減らす。

 関係者によると、こうした負担軽減策を積み上げると、約235億円の復旧費に占めるJR九州の負担は100億円を下回る見込み。さらに残りの2分の1を国と地元自治体が負担する改正鉄道軌道整備法を適用すれば、同社の実質的な負担額は50億円未満に抑えられる。

 3月にあった検討会議の初会合では国、県、JR九州の3者が「鉄道としての復旧」を前提に議論することを確認した。ただ、同社にとっては過去最大の復旧費が見込まれることから、鉄道での再建に慎重な姿勢を示している。

 肥薩線は球磨川の鉄橋2本が流失するなど450カ所が被災。八代─隼人(鹿児島県)の124・2キロのうち八代─吉松(同)の86・8キロが不通になっている。(内田裕之、福山聡一郎)

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