障害者の工賃、コロナ禍で5年ぶり減 熊本県内の就労支援施設

熊本日日新聞 | 2022年6月11日 08:10

菓子製品の箱詰め作業をする就労支援施設「ふれあいワーク」の利用者=熊本市北区

 新型コロナウイルス禍が、熊本県内の障害者の働く場を直撃している。企業から軽作業を請け負う就労継続支援B型事業所では、2020年度の平均工賃月額が5年ぶりに減少に転じ、21、22年度の工賃も厳しい状況が見込まれる。新型コロナ禍で受注が減っている上、商品を販売するイベントなどもなくなっているためで、関係者は企業などに協力を求めている。

 熊本県障がい者支援課によると、20年度のB型事業所の平均工賃月額は1万5062円で前年度比約300円減。15年度(1万3886円)からは4年連続で上昇していたが、新型コロナ禍でストップがかかった。全国も同じ状況で、20年度の平均工賃は1万5776円(前年度比約600円減)で、12年ぶりに減少した。同課は「コロナ禍で販売先が減ったことが影響した」とみる。

 45人の利用者がいる熊本市北区龍田の就労支援施設「ふれあいワーク」では受注が減ったため、職員が新たに洗車や清掃、野菜の袋詰めなどの仕事を開拓。コロナ禍前に比べ、仕事の種類を2~3割増やした。ただ、イベントの減少で施設で作っているパウンドケーキなどの加工品が売れず、収入自体は1割減。利用者の工賃も年間2万円ほど減っているという。

 国から事業所に支払われる報酬(訓練等給付費)は、利用者の平均工賃や労働時間を基に算定されるため、工賃の減少は事業所の収入減に直結する。同施設を運営する里﨑美香さん(61)は「今は利用者の工賃を何とか維持するために、一つでも多くできる仕事は拾っている状況。コロナ禍が明けてくれないと、運営は厳しいまま」と肩を落とす。

 県内の68障害者作業所でつくる「きょうされん熊本支部」の福島貴志支部長(58)は「利用者の所得が減り、その家族の負担が重くなっている。仕事を委託してくれるよう企業には協力を呼びかけたい」と話している。(樋口琢郎)

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