内密出産の制度化を 熊本市長、野田担当相に相談体制整備など提案

熊本日日新聞 | 2022年6月9日 06:30

内密出産の制度化について野田聖子こども政策担当相(左)に資料を示しながら提案する熊本市の大西一史市長=8日、内閣府

 熊本市の大西一史市長は8日、内密出産の制度化を求め、野田聖子こども政策担当相らに相談体制の整備などの具体策を提案した。一定の匿名性を確保した出産制度が必要とした上で、予期せぬ妊娠をした女性の悩みに応じる妊娠葛藤相談所(仮称)や、子どもの出自に関する情報を公的に保持する身元情報管理機関の設置を挙げている。

 提案によると、妊娠葛藤相談所では安易な内密出産を防ぐため、母子のケアやソーシャルワークに詳しい専門職が対応。医療・福祉サービスにつなぐほか、内密出産に至る場合でも適切に支援し、産科医療機関との調整に当たるとした。

 身元情報管理機関は、子どもが自らの出自を知る権利を保障するため、母親の身元情報を長期間にわたって管理。内密出産を独自に導入している慈恵病院(同市西区)では現在、院内で情報を預かっているが、市は「民間による管理はリスクがあり、不安定さが残る」として公的な関与が必要としている。

 大西市長は東京・永田町の内閣府で野田氏と面会。慈恵病院が市に託していた内密出産のガイドライン私案も併せて示し、検討のたたき台とするよう求めた。厚生労働省と法務省が自治体へ示すガイドラインの策定を進めていることを踏まえ、野田氏は「出自にかかる情報のデータベース化や妊娠葛藤の相談所は必要だ。子どもの命を守ることを最優先に総合調整を図りたい」と応じた。

 市提案と慈恵病院の私案は、厚労省の吉田学事務次官にも提出した。

 同日、病院で会見した蓮田健院長は「これまで国レベルでの議論が避けられており、前向きな発言があったのは心強い。熊本市にも歩み寄っていただいた」と述べた。(小多崇、林田賢一郎)

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