コロナ自宅療養、受診体制「不十分」 熊本市、外来受け入れ40施設 感染拡大へ懸念、医師にもリスク

熊本日日新聞 | 2021年08月28日 21:33

 新型コロナウイルスの感染「第5波」で、熊本市でも増え続ける自宅療養者への医療体制が課題となっている。市によると、療養中に体調が悪化したコロナ患者を外来で受け入れる市内の医療機関は、40施設にとどまる。すぐに受診できないケースも出てきており、市は「対応できる医療機関を確保したい」と、市医師会に協力を要請した。

 自宅療養となるのは原則として軽症や無症状の患者で、保健所などが毎日、電話で健康観察をする。熊本市の場合、症状悪化の訴えがあれば、保健所が受診できる医療機関を探し、日程を調整。患者は市の委託業者の車両で移動し、受診する。

 市新型コロナウイルス感染症対策課によると、市内の自宅療養者はこの1週間、400~600人で推移しており、25日の629人が過去最多。自宅療養者のうち、約5%が体調の変化で医療機関を受診したという。

 各医療機関は一般患者と別の時間帯でコロナ患者を診ており、受け入れは1日当たり1施設1~3人程度。そのため調整が難しく、翌日受診となるケースもある。

 「自宅療養者が増え続ける中、現状では50人ほどしか受け入れられない。対応できる医療機関を増やしたい」と同課。26日に市医師会が開いた説明会で窮状を訴え、協力を求めた。

 しかし、感染力が強い「デルタ株」が広がる中、患者の受け入れには感染拡大の危険性も伴う。「医師会からも協力をお願いしているが、医師にもリスクがあり、すぐに対応できる訳ではない」と市医師会の園田寛会長。

 政府が充実を求めるオンライン診療や訪問診療についても、体制づくりは遅れている。市と市医師会が今月上旬、569医療機関を対象に実施したアンケートでは、14施設が「オンラインや電話による診察が可能」と答えたが、オンライン診療については市と使用するツールを調整中で、開始には至っていない。往診に関する意向調査もこれからだ。

 市は「変異株の広がりで急激に感染者が増え、症状が急に悪化するケースもあり、受け皿が足りなくなった。オンライン診療の開始時期はまだ分からない」と話している。(清島理紗、志賀茉里耶)

記事アクセスランキング

  1. ${ranking.title}

※アクセス数(24時間以内)を元に集計

フォローする

  • facebook
  • twitter
  • LINE
  • youtube
  • note