バイトない、食費ない…コロナ禍で生活切り詰め 熊本県内の大学生 

熊本日日新聞 | 2021年05月28日 15:00

1週間分の野菜を548円で買った大石勇さんの買い物かご=24日、熊本市西区

 新型コロナウイルスによる度重なる飲食店の時間短縮要請や外出自粛要請。アルバイトで生活や学費を賄っていた熊本県内の大学生たちも、感染を警戒されたり、バイト先が閉店したりして、追い詰められている。

 5月下旬の夕方、熊本大教職大学院1年の男子学生(23)は、JR熊本駅南側の商店に食料の買い出しに出掛けた。熊本市中央区の大学近くで家賃月4万円のアパート暮らし。普段は自転車だが、梅雨空の下で、この日は電車を使った。

 「ちょっと遠いけど、安いんですよ」。タマネギ、小松菜、春菊…。42円の大根も迷わずに買った。「冷凍している肉があるので野菜だけ。1週間は持たせます」。レジで計548円を支払った。

 4月、大学内で感染者が出たため、家庭教師のバイトがなくなった。生徒の保護者が子どもへの感染を心配したからだ。「教員採用試験に向けて勉強時間を確保したかったので、バイトは融通が利く家庭教師だけにしていた」。収入はゼロになった。

 県北で祖母と2人で暮らすパート勤めの母親からの仕送りは、月1、2万円。バイト代が生活費の柱だったため一気に暮らしが苦しくなった。参考書代などもかさみ、奨学金を加えても足りない。貯金を切り崩し始めた。採用試験が終わる8月まで我慢の日々が続く。

 県立大4年の女子大学生(21)は3月、バイト先の飲食店が急に閉店した。「急いで別の飲食店のバイトを見つけたが、就職活動が忙しく、覚える仕事も多く大変」という。

 大学へは、熊本市外の自宅から電車とバスで通うためバイト代は主に交通費に消える。母子家庭で弟も今春、大学生になった。携帯電話代を出してもらっている母親の負担は、これ以上増やせない。

 「就活で忙しくて思うようにシフトに入れない。これから県外でも就活したいけれど、出費も増えてしまう」と途方に暮れている。

 現在、給付型の奨学金を受けているが、貸与型の奨学金を追加することも考えている。(川野千尋)

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