昨年衆院選、合憲10件目 1票の格差、福岡高裁宮崎支部

「1票の格差」が最大2・06倍だった2024年10月の衆院選は投票価値の平等を求める憲法に反するなどとして、宮崎、鹿児島両県の有権者が選挙の無効を求めた訴訟の判決で、福岡高裁宮崎支部は21日、選挙は合憲と判断し、無効請求を棄却した。全国14の高裁・高裁支部で起こされた16件の訴訟のうち10件目の判決。これまでの9件も全て合憲だった。
西森政一裁判長は判決理由で「選挙区割りが憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったということはできない」と述べた。
今回の衆院選は、人口比をより正確に反映しやすい議席配分方法「アダムズ方式」の導入で、小選挙区定数「10増10減」などを受けた新区割りで初めて実施。最高裁が「合憲」と判断した前回21年衆院選の2・08倍から格差は縮小した。
24年10月27日の投開票日時点で議員1人当たりの有権者数は最少の鳥取1区と比べ、最多の北海道3区が2・06倍だった。
原告側は「1人1票同一価値の選挙制度を保証していない区割りは憲法に違反している」と指摘した。