大学を数段階で格付け、撤退促進 少子化踏まえ中教審が答申

中教審は21日、急速な少子化を踏まえた大学など高等教育機関の在り方を阿部俊子文部科学相に答申した。地方の進学機会を確保した上で、大学数を適正規模に縮小しながら、教育の質向上を目指すのが柱。経営が厳しい大学に撤退や縮小を促すことや、学生の在学中の成長などを指標に数段階で大学を格付けする、新たな評価制度への移行を提言した。
文科省は答申を受け、今夏をめどに今後10年程度の政策工程を示す方針だ。
答申によると、2024年に約63万人だった大学進学者数は40年に約46万人となり、現在の定員の7割程度しか埋まらなくなる。
答申は「各大学が適正な規模の在り方の検討を進めることが重要」と指摘。財務状況や定員充足率によっては撤退や統合・再編の支援が必要だとした。
その上で、個別の経営判断だけに委ねれば学びの機会がなくなり、地域社会に大きな影響が出かねないとの懸念も表明。各地域に、大学や自治体、産業界が教育機会の確保や人材育成の在り方など将来像を議論する「地域構想推進プラットフォーム」の構築を求めた。