マスク氏、国防総省の支出調査へ　利益相反、軍事機密への懸念も

　【ワシントン共同】トランプ米大統領は７日の記者会見で、政府の新組織「政府効率化省」を率いる実業家マスク氏に対し、国防総省や教育省の支出を調査するよう指示したと明らかにした。マスク氏の率いる企業が国防総省と契約しており、利益相反が懸念される。マスク氏や効率化省職員が軍事機密にアクセスする可能性も危惧される。

　ニューヨーク・タイムズ紙によると、マスク氏の企業は昨年、１７の連邦機関と約１００件の契約を結び、総額は約３０億ドル（約４５００億円）に上る。ワシントン・ポスト紙は７日、選挙で選ばれていないマスク氏が政府のシステムにアクセスしていることへの苦情や疑問の電話が連邦議員に殺到していると報じた。

　トランプ氏は会見で、マスク氏らが違法に権力を掌握しているとの批判について「高い機密情報などは必要に応じて私が対応する」と述べ、問題視しないとの認識を示した。ソーシャルメディアに人種差別的な投稿をしたとして辞任した効率化省の２０代の職員を再雇用することにも賛成した。