「違法な時間外労働」などで282事業所に是正勧告 熊本労働局、23年度
熊本労働局は25日、長時間労働が疑われる342事業所を対象にした2023年度の監督指導で、県内の282カ所の法令違反を確認し、是正勧告したと発表した。違反率は82・5%。全国は81・2%だった。
最も多い違反は「違法な時間外労働」で、対象の40・4%にあたる138カ所で確認した。このうち85カ所で「過労死ライン」とされる月80時間を超える労働者がいた。11カ所は月150時間超だった。
健康診断を実施していないなど「健康障害防止措置の未実施」が71カ所、「賃金不払いの残業」が15カ所あった。違反の重複もあった。
監督指導は、従業員や家族からの情報提供、過労死などの労災請求に基づいて実施する。23年度は前年度と比べ、対象が106カ所、違反は86カ所それぞれ増えた。労働局は増加の背景について、コロナ禍が落ち着いたことで産業が復調し、相談が増えたためとみている。(上野史央里)
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