熊本県の運輸・郵便業「賃上げなし」が3割 23年度、県の労働実態調査
熊本県は2023年度の県内の労働実態調査をまとめた。運輸・郵便業の3割が賃上げや一時金支給を実施せず据え置いた一方、休憩や残業時間を除く所定労働時間は全産業の中で最も長く、長時間労働や低賃金が指摘される業界の労働環境改善の必要性をうかがわせる結果となった。
調査は23年7~8月、1500事業所を対象に郵送とインターネットで実施。839事業所が回答した。
23年6月末までの1年間で、正社員・職員の定期昇給を含む賃上げを実施した事業所は全体の72・1%。賃上げと一時金支給の両方を実施したのは12・9%、賃上げせずに据え置いたのは11・1%だった。
産業別では学術研究、専門・技術サービス業、不動産業などで全事業所が賃上げを実施した半面、据え置いたのは農林漁業が41・7%、次いで運輸・郵便業が33・3%となった。
1週当たりの所定労働時間は平均39時間22分。最も長かったのは運輸・郵便業の39時間45分で、教育・学習支援業39時間41分、複合サービス業39時間36分の順だった。金融・保険業が38時間29分で最も短かった。
係長相当職以上の管理職に占める女性の割合は28・9%。ただ、職階が上がるほど割合が下がる傾向だった。医療・福祉が62・3%で最も高く、次いで不動産・物品賃貸業が33・3%、教育・学習支援業が33・0%でほぼ並んだ。育児休業の取得率では女性が99・2%なのに対し、男性は37・2%にとどまった。
外国人労働者の雇用状況については、22・5%が今後検討する必要があると回答。理由としては「日本人を雇用できないから」が69・4%で最も多く、「海外展開や観光客への対応など外国語のスキルを有した人材が必要」が19・6%で続いた。既に雇用している産業をみると、農林漁業が36・4%で最も高かった。
県労働雇用創生課は「賃上げを実施した事業者が前年度の59・8%から大きく増えた。全国的な賃上げの力強い動きが県内企業に波及している」とみる。(横川千夏)
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