ノーベル賞・大村教授「夢を追いかけて」 熊本市の第一高で講演
2015年にノーベル医学生理学賞を受けた北里大特別栄誉教授の大村智さん(89)が21日、熊本市中央区の第一高で講演し「どんなことがあっても諦めず、夢を追いかけてほしい」と呼びかけた。
大村さんは東京理科大大学院修士課程を修了後、小国町出身の北里柴三郎が創設した北里研究所に29歳のときに入所。微生物研究を進め、熱帯感染症の特効薬となる「イベルメクチン」を開発した。アフリカだけで年間3億8千万人を病気から救ったとされる。
講演では、特効薬を開発した経緯に触れ、「失敗しても志を曲げない『百折不撓[ひゃくせつふとう]』の精神で成し遂げた。北里先生のように人類の役に立つ研究成果を出したい一心で諦めなかった」と振り返った。
破傷風の血清療法を確立した北里の功績を「偉大な発見」と称賛。北里が発見した抗毒素は研究が進み、現在は抗体医薬品として世界で3兆円規模の市場に成長していることを紹介した。「北里先生は世界中の人々の命を救った。私の中では幻のノーベル賞受賞者だ」と賛辞を送った。
講演会は、北里が学んだ古城医学校(熊本大医学部の前身)の跡地に第一高がある縁で、同窓会が企画した。在校生ら約1100人が聴いた。(後藤幸樹)
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