「塩漬け」の町有地、民間が造成へ 熊本・和水町、物流企業に有償譲渡 TSMC関連企業の誘致目指す
和水町は、開発が進まず30年以上塩漬け状態だった町有地を、同町の運送業「マツカワ物流」に譲渡した。合併前の旧菊水町が工業団地整備のため取得していた約15・7ヘクタールで、台湾積体電路製造(TSMC)の関連企業誘致を目指し、公募型プロポーザル方式で選定した。
譲渡したのは、和水町内田周辺の山林や雑種地など。9月の町議会定例会で、関連議案を可決していた。譲渡価格は2301万円。
町まちづくり課によると、旧菊水町の土地開発公社が1991年度に工業団地の造成を目指し、19ヘクタールを購入。94年度に所有権を町に移した。その後の基本設計で造成費用が9億~14億円かかることが分かり、計画が頓挫した。土地の大半が未整備のままだった。
町有地はマツカワ物流の本社に隣接している。造成後、自社のトラックヤード、倉庫を設置するほか、一部の用地を進出企業に貸し出す方針も示した。松川重光社長(70)は「TSMC進出などに伴う物流需要の増加を見越して取得した」と話した。
石原佳幸町長は「これまでは町内にTSMC進出の好影響をもたらせていなかった。町の発展に寄与することを期待したい」と話す。(岡本遼、伴哲司)
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