【電子版限定】梅雨入り梅雨明け、熊本はなぜ九州北部!? 人吉は山口と同じ区域 鍵は「九州山地」に

熊本日日新聞 2024年10月6日 11:00
九州北部が梅雨明けした7月22日、水前寺江津湖公園で水遊びする子どもたち=22日午前、熊本市中央区(上杉勇太)
九州北部が梅雨明けした7月22日、水前寺江津湖公園で水遊びする子どもたち=22日午前、熊本市中央区(上杉勇太)

 福岡管区気象台が「九州北部が梅雨明けしたとみられる」と発表した7月22日、熊本も梅雨明けと一斉に報じられた。「なぜ熊本は九州北部に分類されるの?」と、人吉市の女性会社員(63)から熊日のSNSこちら編集局(S編)に疑問が寄せられた。

 確かに人吉市の緯度を調べると、宮崎県高鍋町や鹿児島県長島町と近く、熊本市とは差がある。気象庁の発表では九州南部の今年の梅雨明けは、北部より5日早い7月17日だった。女性は「人吉市民としては、今年の梅雨明けは感覚的には九州南部と同じタイミング。球磨地方が九州北部に入ることに違和感を感じる」と首をかしげる。

 気象庁によると、梅雨入り・梅雨明けの情報は全国12地域に分けて発表されている。沖縄・奄美を除く九州は北部と南部に2分割しており、北部には山口県も含まれている。担当者は「梅雨は梅雨前線や太平洋高気圧の動向を踏まえた約1カ月に及ぶ季節の現象。日々の天気予報よりも広い地域ごとに、現象の経過を監視している」と言う。

熊本地方気象台が入る熊本地方合同庁舎
熊本地方気象台が入る熊本地方合同庁舎

 では、なぜ熊本が九州北部なのか。「九州を二分する九州山地を境に、雨の降りやすい風向きが異なり、雪が降りやすい条件も変わる。それらの気象特性を踏まえ、九州山地の北西に位置する熊本は、九州北部地方としている」と説明。山口を九州北部に区分しているのは「日照時間や降水量など、気象特性が福岡に近いから」だという。

 気象庁は、九州の梅雨に関する情報を二つの区域に分ける一方、日々の気象予報は熊本県内を四つの区域に、大雨警報などは市町村単位で発信している。情報ごとに発表するエリアが異なる点について、熊本地方気象台の北川博さんは「気象現象の時間や領域を考慮しているため」と理解を求める。

 「どんな地域分けをしても、境界部に住んでいる方からは、(前出の女性と)同じような意見が寄せられる」と北川さん。隣接する他県の情報の方が参考になる場合もあると認め、「お住まいの地域によっては、隣県の予報を参考にしてもらっても問題ない」と言っている。(東有咲)

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