【電子版限定】梅雨入り梅雨明け、熊本はなぜ九州北部!? 人吉は山口と同じ区域 鍵は「九州山地」に
福岡管区気象台が「九州北部が梅雨明けしたとみられる」と発表した7月22日、熊本も梅雨明けと一斉に報じられた。「なぜ熊本は九州北部に分類されるの?」と、人吉市の女性会社員(63)から熊日のSNSこちら編集局(S編)に疑問が寄せられた。
確かに人吉市の緯度を調べると、宮崎県高鍋町や鹿児島県長島町と近く、熊本市とは差がある。気象庁の発表では九州南部の今年の梅雨明けは、北部より5日早い7月17日だった。女性は「人吉市民としては、今年の梅雨明けは感覚的には九州南部と同じタイミング。球磨地方が九州北部に入ることに違和感を感じる」と首をかしげる。
気象庁によると、梅雨入り・梅雨明けの情報は全国12地域に分けて発表されている。沖縄・奄美を除く九州は北部と南部に2分割しており、北部には山口県も含まれている。担当者は「梅雨は梅雨前線や太平洋高気圧の動向を踏まえた約1カ月に及ぶ季節の現象。日々の天気予報よりも広い地域ごとに、現象の経過を監視している」と言う。
では、なぜ熊本が九州北部なのか。「九州を二分する九州山地を境に、雨の降りやすい風向きが異なり、雪が降りやすい条件も変わる。それらの気象特性を踏まえ、九州山地の北西に位置する熊本は、九州北部地方としている」と説明。山口を九州北部に区分しているのは「日照時間や降水量など、気象特性が福岡に近いから」だという。
気象庁は、九州の梅雨に関する情報を二つの区域に分ける一方、日々の気象予報は熊本県内を四つの区域に、大雨警報などは市町村単位で発信している。情報ごとに発表するエリアが異なる点について、熊本地方気象台の北川博さんは「気象現象の時間や領域を考慮しているため」と理解を求める。
「どんな地域分けをしても、境界部に住んでいる方からは、(前出の女性と)同じような意見が寄せられる」と北川さん。隣接する他県の情報の方が参考になる場合もあると認め、「お住まいの地域によっては、隣県の予報を参考にしてもらっても問題ない」と言っている。(東有咲)
RECOMMEND
あなたにおすすめPICK UP
注目コンテンツNEWS LIST
熊本のニュース-
「住民の鉄道愛で資金投入を判断」 ローカル線〝再生請負人〟大井川鉄道の鳥塚社長、人吉市で講演
熊本日日新聞 -
八千代座でジャズに酔う 11月9日、ドラマーのカプテインが企画
熊本日日新聞 -
「シビル・ウォー アメリカ最後の日」 突きつけられる母国の分断【熊本シネマレビュー】
熊本日日新聞 -
健康マージャン、高齢者生き生き 「賭けない、飲まない、吸わない」 認知症予防、女性にも人気
熊本日日新聞 -
日本の特撮、伝え続けたい 特撮監督・三池敏夫(御船町出身)、40年の軌跡まとめた著書刊行 映像に作り手の思い凝縮
熊本日日新聞 -
吉田兄弟「津軽三味線の〝生音〟を」 25周年記念のツアー 16日、熊本市で
熊本日日新聞 -
「今季こそB1へ」チケット完売 B2開幕、熊本ホーム戦に4千人
熊本日日新聞 -
【B2開幕 A千葉96ー78熊本】ヴォル、ゴール下の支配許す
熊本日日新聞 -
ヴォルターズ開幕勝利逃す A千葉に78-96 バスケットボールB2
熊本日日新聞 -
<佐賀国民スポーツ大会・アーチェリー>成年男子団体17位
熊本日日新聞
STORY
連載・企画-
移動の足を考える
熊本都市圏の住民の間には、慢性化している交通渋滞への不満が強くあります。台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出などでこの状況に拍車が掛かるとみられる中、「渋滞都市」から抜け出す取り組みが急務。その切り札とみられるのが公共交通機関の活性化です。連載企画「移動の足を考える」では、それぞれの交通機関の現状を紹介し、あるべき姿を模索します。
-
学んで得する!お金の話「まね得」
お金に関する知識が生活防衛につながる時代。税金や年金、投資に新NISA、相続や保険などお金に関わる正しい知識を、しっかりした家計管理で安心して生活したい記者と一緒に、楽しく学んでいきましょう。
※次回は「多重債務編」。10月4日(金)に更新予定です。