熊本地震で被災の熊本城奉行丸西側、石垣の石材回収始まる 25年度から復旧に向けた設計へ
熊本地震で大半が崩落した熊本城の奉行丸西側石垣の復旧工事に先立ち、熊本市は3日、石材の回収作業を始めた。年度内に石材の回収を終えた後、2025年度から復旧に向けた設計に入る見通し。
市によると、石垣は奉行丸西側の元太鼓櫓[もとたいこやぐら]と未申[ひつじさる]櫓を結ぶ高さ最大9・5メートル、南北約100メートルで、1611~24年ごろの加藤時代に築造されたとみられる。地震により、概算で約2100個の石材が西側の通路に崩落し、石垣の上にあった続塀も倒壊したという。
同日は、重さ0・5~1トンほどの石材にワイヤロープを掛け、石材の向きをチョークで書き込んだ後、クレーンでつり上げて奉行丸内に石材を移動した。1日100個程度を回収する予定で、回収した石材は近くのNHK熊本放送会館跡地の仮置き場に保管するという。
市によると、石垣の復旧方法を決めた後、37年度から復旧に向けて残存する石垣の一部を解体し、40年度から積み直す予定。さらに43年度以降に石垣の上にあった続塀の復旧を目指す計画。
回収現場は、石垣北側の元太鼓櫓側などから見ることができる。市復旧整備課の岩佐康弘課長は「地震直後の被災状況を色濃く残している場所なので、多くの人に見ていただくことで記憶にとどめてほしい」と話した。(山本遼)
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