「イチ推し」やっぱり熊本城 では2位は?「ニッポンお城図鑑」番外編 熊日電子版・読者アンケート
お出かけ先としてお薦めする全国の城(城跡)について、熊本日日新聞が電子版会員読者にアンケートしたところ、一番多く〝イチ推し〟として挙がったのは熊本城だった。2位の姫路城(兵庫県)、3位の大阪城(大阪市)など全国的に知名度の高い城を大きく引き離し、熊本県民の熊本城への愛着の高さが改めて浮き彫りになった。一方、国内各地にある城の名も多く挙がっており、城への関心の高さもうかがえた。
アンケートは、9月30日付で終了した本紙連載「ニッポンお城図鑑」の関連企画。電子版会員にメールで質問項目を送り、126人から回答を得た。質問は「お薦めの城」「行ってみて良かった城」「行ってみたい城」。いずれも三つまで挙げてもらった。
「お薦めの城」として挙がったのは計64カ所。トップの熊本城は98人で、全体の約26%を占めた。その魅力について「県民の誇り。武者返しの石垣や天守、二の丸など先人が必死で生きた時代に思いをはせることができる」「熊本地震で城が見えなくなった時、熊本生まれの熊本人にとって、城はやはり熊本城だと気付かされた」などの意見が寄せられた。熊本県外からも「震災前に5回ほど訪問・登城した。りりしく、包容力のあるお城と感じた」といった声があった。
姫路城は63人が選んだ。世界遺産で全国に12カ所残る「現存天守」の一つ。「本当に美しく、熊本城と対をなす存在」「壮大にして精緻な造りは唯一無二」などの声が多かった。大阪城には「太閤さんのお城だから」「日本の歴史で最も興味深い時代のもの」といった意見が見られた。
「現存天守」の人気は根強く、松本城(長野県)や彦根城(滋賀県)、備中松山城(岡山県)、松江城(島根県)が上位にランクイン。このほか挙げた人は少なかったものの、丸亀城(香川県)に「石垣が素晴らしい」、宇和島城(愛媛県)に「街の雰囲気と城が似合っている」といった評価が寄せられた。
熊本県内からは人吉城(人吉市)や鞠智[きくち]城(菊池市)、八代城(八代市)のほかに、連載で「天守級」として紹介した宇土櫓[やぐら](熊本市)も挙がった。
実際に行ってみて良かったと思う城のランキングでも80人が熊本城を挙げ、トップ。姫路城や大阪城などが続いた。
少数意見を合わせると、名前が挙がったのは計64カ所。「戦国大名の館、城下町の様子が想像できた」(福井県・一乗谷城)、「立地が面白い」(長野県・小諸城)、「小さな城郭だが、地域との一体感が素晴らしい」(大分県・杵築城)、「六段壁[ろくだんへき](6段構えの石垣)が見事。訪れる人が少なく静かで落ち着いている」(岐阜県・岩村城)などと、現地を訪れた人ならではの声が多く聞かれた。
県内の城では、鞠智城に対して「大陸からの脅威に備える防人[さきもり]のただならぬ緊張感に驚いた」、富岡城(苓北町)に「天草の歴史などに関する展示が良かった」、人吉城に「街歩きのイベントで詳しく知った。もっとアピールしてほしい」といった声があった。(藤本英行)
◆城探訪の魅力は? 「武将の思いに浸れる」「教科書にはない学び」
歴史に触れ、武将らの思いに近づきたい─。城に関するアンケートで探訪の魅力や楽しさについて尋ねたところ、回答からこうした意識が垣間見えた。
熊本市の60代女性は「城と生きた戦国武将の息遣いが聞こえてくるようだから」。合志市の50代男性は「どのような建物があり、どのような考えで築城したのか想像しながら散策するのが好き」と答えた。
回答者の87%が50代以上だった中、10代以下の4人からも回答があった。天草市の女性は「戦国の動乱の時代に起きた出来事を感じ取ることができる。教科書には載っていないような詳しいことも学べる」、宇城市の女性は「歴史が好きだから」。熊本市の男性は「戦国武将の思いに浸れる」。熊本市の小学3年の男児は「武将が好きだから象徴である城を見たい。現地の資料館や案内の方との話も楽しみ」と答えた。
「行ってみたい城」の理由はさまざま。「井伊直弼の居城」(滋賀県・彦根城)、「村上水軍の盛衰を感じる場」(広島県・因島水軍城)、「織田信長の歴史を感じたい」(滋賀県・安土城)、「藤堂高虎の築いた海城を堪能したい」(愛媛県・今治城)、「戦略的に木曽川沿いに築城された堅固な城」(愛知県・犬山城)などの回答があり、城の歴史や武将について探求したいという思いが強く感じられた。
行きたい理由としては「写真を撮る」との声も。具体的なフォトスポットとして、桜の名所である弘前城(青森県)や「天空の城」として人気の竹田城(兵庫県)、堀の水面に映る姿が有名な松本城(長野県)などを挙げた。
2019年の火災で焼失し、再建中の首里城(沖縄県)に対しては「完成後に見たい」とエールを送る声もあった。(藤本英行)
RECOMMEND
あなたにおすすめPICK UP
注目コンテンツNEWS LIST
熊本のニュース-
出所後、社会に居場所を 元受刑者の青木さん、熊本市で自立準備ホーム運営 更生後押し「人は変われる」
熊本日日新聞 -
【ジュニア記録室】卓球・第38回八代市オープン小学生
熊本日日新聞 -
【ジュニア記録室】柔道・第50回玉名郡市防犯少年
熊本日日新聞 -
熊本県内のおせち商戦、値上げでも活況 「メリハリ消費」反映し予約順調 材料の工夫で価格据え置く店も
熊本日日新聞 -
「フリーランス」新法施行で相談窓口 熊本労働局・労基署が設置 既に複数の相談も…
熊本日日新聞 -
熊本県立校いじめ「重大事態」で初会合 県教委第三者委、今後の方針で意見交換 校種や概要は非公表
熊本日日新聞 -
「異常気象は今が瀬戸際」 三重大大学院の立花教授が講演 熊日情報文化懇話会11月例会
熊本日日新聞 -
水俣市、許可受けず最低賃金未満で雇用 労働基準監督署から是正勧告
熊本日日新聞 -
山下さん(熊本農高3年)のビビンバがグランプリ 野菜をふんだんに使ったレシピ 宇城市「ベジ1コンテスト」
熊本日日新聞 -
一緒にちらしずし、台湾出身者と心通わせる 菊陽町「多文化クラブ」
熊本日日新聞
STORY
連載・企画-
移動の足を考える
熊本都市圏の住民の間には、慢性化している交通渋滞への不満が強くあります。台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出などでこの状況に拍車が掛かるとみられる中、「渋滞都市」から抜け出す取り組みが急務。その切り札とみられるのが公共交通機関の活性化です。連載企画「移動の足を考える」では、それぞれの交通機関の現状を紹介し、あるべき姿を模索します。
-
学んで得する!お金の話「まね得」
お金に関する知識が生活防衛やより良い生活につながる時代。税金や年金、投資に新NISA、相続や保険などお金に関わる正しい知識を、しっかりした家計管理で安心して生活したい記者と一緒に、楽しく学んでいきましょう。
※次回は「家計管理」。11月25日(月)に更新予定です。