人吉城石垣修復に歴史ファンが熱視線 市教委説明会に60人 ぐり石詰め体験も
人吉市教育委員会は9月29日、人吉城跡で進めている石垣修復工事の説明会を現地で開いた。歴史ファンの市民ら約60人が参加し、工事の進み具合を聞き、石垣内部に使うぐり石を実際に詰めて、石垣ができた時代に思いをはせた。
修復しているのは、人吉城跡内にあった相良家住宅「御館[みたち]」跡(現相良神社)西側の長さ60メートル、高さ約4メートル、幅約3メートルの石垣。記録によると、完成は1603(慶長8)年で、石が道路側に出っ張るなど老朽化していた。市教委は昨年7月に解体に着手し、同じ石を使って積み直している。
この日、市教委文化課の岸田裕一学芸員が、石垣内部の土について説明。道路側に、もともと使われていた火山灰などのシラス、神社側に茶色い土と縦に分かれており「神社側からの修復の証拠と考えられる」などと話した。
石垣内部にぐり石を詰める体験もあり、参加者らは、修復を請け負う「いなば人吉営業所」の石工らの指導で、「たこ」と呼ばれる木づちで詰め込んだ。ぐり石に名前と住所を書いて詰めた同市の女性(81)は「球磨川で泳ぎながら、石垣を見て育った。石垣は人吉にはなくてはならないもの。永久に残してほしい」と話した。(東寛明)
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