熊本県合志市の新たな県営工業団地 分譲開始に遅れ 土地24ヘクタール確保できず 県、計画の断念は否定
熊本県は20日、合志市で計画する県営工業団地に関し、当初目標の2026年度の分譲開始に間に合わないとの見通しを明らかにした。整備面積として希望する24ヘクタールの土地を確保できず、先送りすることになった。計画の断念については否定した。
県は台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出を受け、半導体関連企業が立地しやすい〝受け皿〟を増やす方針。22年には、菊池市と合志市にそれぞれ24ヘクタールの工業団地を新たに整備する計画を発表した。総事業費は約70億円。
菊池市の工業団地は既存の「菊池テクノパーク」西側で、旭志川辺と泗水町永にまたがる場所に決定。24年度末までに造成工事に着手する。
一方、合志市の工業団地は選定に苦戦。中九州横断道路やセミコンテクノパーク周辺の土地が候補に挙がったが、決定には至らなかった。合志市は農業以外の利用が制限される農業振興地域が多く、めぼしい土地には既に多くの企業が進出していることが影響した。
この日の県議会一般質問では、新社会党の岩中伸司氏(荒尾市区)に上田哲也商工労働部長が答弁。工業団地に関する取り組みで、合志市の案件に言及しなかった。終了後、上田部長は「土地の見通しが立っておらず、足踏み状態だ。26年度の分譲開始は難しい」と明言。「計画を諦めてはいない。今後も土地の確保に努める」とも強調した。
このほか、県は八代市にも約25ヘクタールの工業団地を検討している。木村敬知事は19日の一般質問で「内陸部」に整備すると述べた。(小山智史)
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