宇土高科学部が撮影「側方蜃気楼」 光が屈折、横方向に反転 不知火現象解明へ、専門家「詳細な分析に期待」
宇土高科学部地学班が3日未明、不知火現象の発生要因とされ、報告例が極めて少ない「側方蜃気楼[しんきろう]」とみられる現象を撮影した。写真は午前2時50分ごろ、宇城市不知火町の永尾剱[えいのおつるぎ]神社の展望所から撮影したもので、光源として出港した3隻のうち、八代市を流れる大鞘川河口沖に出した船の明かり。不知火現象の解明に大きく近づく可能性がある。
側方蜃気楼は光が屈折して横方向に反転し、分かれて見える現象とされる。光が明滅、離散して見える不知火現象も側方蜃気楼の一種とみられている。しかし、宇城市の記録では2012年を最後に観測されておらず、現象を納めた過去の写真からも観測された詳しい条件は分かっていない。
写真では、同神社から約8・5キロ沖に浮かぶ船に設置された光源と並ぶように、側方蜃気楼と見られる光が広がっている。地学班顧問の本多栄喜教諭(40)は「船の光源は一つだと確認できた。横方向に並んでいることからも側方蜃気楼ではないか」と推測する。
気象予報士で日本蜃気楼協議会理事の森川浩司さん(51)=千葉県柏市=は「側方蜃気楼の可能性がある貴重な資料。光源が横方向に反転しているかや、同じ気象条件で再現ができるかなど、詳細な分析を期待している」と話す。
班長の米田直人さん(2年)は「自分たちの仮説に基づいた写真が撮れてうれしい。もっと分かりやすい変化や肉眼での観測を目指したい」と話した。(古東竜之介)
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