氷川町特産「吉野梨」、縁起物として台湾へ JAやつしろが出荷作業
氷川町特産「吉野梨」の台湾向けの出荷作業が1日、町のJAやつしろ吉野果実選果場であった。天候不良などの影響で規格外の物を除いたため、今年の出荷は例年より少なく、5キロ入り約1300箱を予定している。
輸出は2004年に始まり21年目。ジャンボ品種の「新高」は、台湾の中秋節(17日)の縁起物として贈答品に定着している。
JAやつしろによると、町では約70戸が約72ヘクタールで栽培。開花が最も早い新高は、花粉不足や授粉時期の長雨の影響で授粉作業が難航し、生育不良や病害虫被害も懸念されていた。JAやつしろ吉野梨部会は4月に生育調査や生産者向け講習会を実施。皮にしみができるのを防ぐため、雨風に強い袋のかけ方を講習し、品質の維持に努めた。
この日、JA職員や部会員ら約40人が輸出用の新高を1玉ずつ丁寧に箱詰め。梅雨明け以降の少雨で、大玉の規格を満たさない物も出たが、見た目は昨年より大幅に改善し、おいしく仕上がっているという。梨は船で博多港(福岡市)を5日出発し、8日に台湾に到着する。
吉野梨部会の岩本栄治部会長(49)は「過去には台風や霜の被害が出た年もあったが、その都度乗り越えてきた。今年も一人でも多くの消費者に味わってもらいたい」と話した。新高の国内向け出荷は、9月中旬に始まる。(上島諒)
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