熊野灘深海から古細菌新グループ 極めてまれ、進化過程の解明期待

共同通信 2024年8月29日 19:25
 熊野灘の深海で見つかり、新たな「界」として認められた古細菌(海洋研究開発機構提供)
 熊野灘の深海で見つかり、新たな「界」として認められた古細菌(海洋研究開発機構提供)

 紀伊半島沖の熊野灘、水深約2500メートルの深海で採取した泥の中から、細胞内に核を持たない微生物「古細菌」の全く新しいグループを発見したと、海洋研究開発機構(神奈川県)などのチームが微生物学の国際専門誌に発表した。生物の分類階級で最も上位の「界」に相当するグループだという。

 海洋機構の井町寛之上席研究員は「界レベルで新たな古細菌が見つかるのは極めて珍しい」と説明。核がある真核生物特有だと考えられていた遺伝子も多く見つかり「進化の過程を探れるかもしれない」と話している。

 チームは2006年、有人潜水調査船「しんかい6500」で泥を採取。未知の古細菌が見つかり、12年間かけて分離、培養に成功した。

 直径約550ナノメートル(ナノは10億分の1)の球状の部分から細長い触手のような突起を伸ばす。生存に酸素は不要で、他の微生物と共生しながらアミノ酸を食べている。

 形態の特徴やゲノム(全遺伝情報)から、これまで知られている古細菌の三つの界とは全く異なるグループだと判明した。

RECOMMEND

あなたにおすすめ
Recommend by Aritsugi Lab.

KUMANICHI レコメンドについて

「KUMANICHI レコメンド」は、熊本大学大学院の有次正義教授の研究室(以下、熊大有次研)が研究・開発中の記事推薦システムです。単語の類似性だけでなく、文脈の言葉の使われ方などから、より人間の思考に近いメカニズムのシステムを目指しています。

熊本日日新聞社はシステムの検証の場として熊日電子版を提供しています。本システムは研究中のため、関係のない記事が掲出されこともあります。あらかじめご了承ください。リンク先はすべて熊日電子版内のコンテンツです。

本システムは「匿名加工情報」を活用して開発されており、あなたの興味・関心を推測してコンテンツを提示しています。匿名加工情報は、氏名や住所などを削除し、ご本人が特定されないよう法令で定める基準に従い加工した情報です。詳しくは 「匿名加工情報の公表について」のページ をご覧ください。

閉じる
注目コンテンツ
全国のニュース 「科学・環境」記事一覧