6歳以上でも「ジュニアシートを着用を」　JAF熊本支部が示す身長の目安は?　福岡・姉妹死亡事故で呼びかけ

　福岡市早良区で18日、路線バスと軽乗用車が衝突した事故で軽乗用車の7歳と5歳の姉妹が死亡した。チャイルドシートを使用しておらず、シートベルトで胴回りが圧迫されたためとみられている。子どもの安全を守るため、日本自動車連盟（JAF）熊本支部はチャイルドシートやジュニアシートの使用を呼びかける。

　道交法は6歳未満のチャイルドシート使用を義務付けている。身長の規定はなく、低身長の子どもが使用しない場合の危険性が以前から指摘されていた。

　JAF熊本支部の緒方将さん（46）は「シートベルトは大人向けの設計になっている。身長が低く骨格が未発達な子どもは安全に使用できない」と説明する。

　緒方さんによると、140センチ以下の子どもがシートベルトだけ着用した場合、衝撃を受けた際にベルトが首や腹部にかかって圧迫される恐れがある。使用義務のない6歳以上でも、必要に応じてシートベルトと組み合わせて体を固定するジュニアシートの使用を促す。

　ジュニアシートを正しく使用することで、シートベルトが鎖骨や腰骨の適切な位置にかかり、衝撃時に首や腹部の圧迫を防ぐことができる。姿勢も保たれるため、強い衝撃を受けて座席から滑り落ちる「サブマリン現象」の防止にもつながるという。

　衝突時にはエアバッグが膨らんで子どもを押しつぶす可能性があるため、チャイルドシートやジュニアシートは後部座席での使用が基本。子どもを座らせたら、シートベルトが鎖骨や胸骨、肋骨［ろっこつ］、腰骨にしっかりとかかっているかを確認することが重要だ。

　チャイルドシートやジュニアシートの使用率は、子どもの年齢が上がるにつれて下がる。警察庁とJAFによる2023年の調査では、1歳未満の使用率は92%だったが、5歳は55・5%にとどまった。警察庁によると、6歳未満で使用しなかった場合、致死率が約4・2倍になるとの分析もある。

　JAFはこれまでチャイルドシートの使用推奨基準を身長140センチ未満としていたが、ベルトが首にかかる危険性を考慮し、9月中旬にも150センチ未満に引き上げる方針を示している。

　緒方さんは「子どもの体格に合ったシートを正しく使うことが大切。説明書を読んで確認してほしい」とアドバイスする。（遠山和泉）