東電、原発デブリ初採取を中断 福島県「人為的、初歩的ミス」
東京電力は22日、福島第1原発2号機で溶融核燃料(デブリ)の取り出しに向けた準備作業を開始したが、約1時間半で中断した。回収装置を押し込むパイプの取り付け順を間違えていたという。作業再開の時期は未定。廃炉の最難関とされ、2011年3月の事故後初めてのデブリ採取は、スタートラインの手前でつまずいた。
福島県は「人為的かつ初歩的なミスであり、県民に不安を与えかねない」として、東電に再発防止を申し入れた。東電によると、7月末にパイプにケーブルを通した際に順番を間違え、その後の点検でも見過ごしていたという。
新潟県柏崎市を訪れていた東電の小早川智明社長は取材に、現地から報告を受けたとし「焦って進めるより安全、着実に進めることが必要だ」と述べた。
当初計画では、原子炉格納容器の貫通部から最長22メートルに伸びる伸縮パイプ式装置を差し込み、先端に取り付けた爪形の器具で3グラム以下のデブリをつかんで試験的に取り出す予定だった。装置がデブリに到達するまでに1週間程度、回収完了までは2週間程度を見込む。
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