熊本県と熊本市、職員の時差出勤やテレワークを9月に実施 1日4千人目標、熊本都市圏の交通渋滞解消へ
熊本県と熊本市は19日、共通の政策課題を協議する「県・市調整会議」を市役所で開き、9月に合同で時差出勤・テレワークに職員が取り組むことを申し合わせた。熊本都市圏の深刻な交通渋滞解消に向けた短期施策の一環。このほか、渋滞が集中する市の北東部・東部エリアを中心とした交差点の改良や、公共交通機関の利用促進も図る。
朝の混雑時の交通量減少に向けた時差出勤・テレワークは、9月2~30日に実施。県と市で1日計4千人が協力することを目標に掲げ、熊本都市圏の自治体や民間企業にも参加の輪が広がるよう働きかける。
菊陽町に進出した台湾積体電路製造(TSMC)を含む半導体産業の集積で、熊本市の北東部・東部エリアは渋滞が深刻化。この地域で、重点的に信号の制御や右左折レーン設置といった交差点改良に取り組む。
その具体的な場所や手法を盛り込んだ渋滞の短期施策は、年内にも取りまとめる方針。木村敬知事は「来年以降の方向性を示す」と強調し、大西一史市長は「スピード感を持って着実に進めたい」と述べた。
県内の主要渋滞箇所は昨年9月時点で283カ所あり、このうち175カ所が熊本市に集中。県と市は三大都市圏を除く全国の政令市で最悪の水準とされる状況の改善に当たる考えだ。
調整会議では地下水保全についても議論。地下水涵養[かんよう]のため、雨水を地下に浸透させる阿蘇地域の草原を重視することも確認した。
県と市の調整会議は6回目で、木村知事が4月に就任してから初めて。両トップのほか、副知事と副市長、県議会と市議会の議長も出席した。(臼杵大介、小山智史)
RECOMMEND
あなたにおすすめPICK UP
注目コンテンツNEWS LIST
熊本のニュース-
客引き行為、料金トラブル…忘年会シーズン前にパトロール 県警と熊本市、市中心繁華街で
熊本日日新聞 -
熊本市電初の3両編成…新型車両の出発式 関係者ら「安全の確保」誓う 24日デビュー
熊本日日新聞 -
竹田は3打差2位 大里は13位に 女子ゴルフ国内最終戦・ツアー選手権リコー杯第3日
熊本日日新聞 -
南海トラフ地震想定、熊本県が広域訓練 被害把握、応援派遣…職員ら手順を確認
熊本日日新聞 -
熊日学童スケッチ展、グランプリに濱川さん(長嶺中2年)
熊本日日新聞 -
公徳文芸賞 県内高校生、俳句など4部門24人表彰
熊本日日新聞 -
〝レア物〟くまモン直筆カレンダー、熊本県のふるさと納税返礼品に
熊本日日新聞 -
熊本城広場の民間イベント活用促進へ 熊本市が体験会 25年4月から解禁方針
熊本日日新聞 -
阿蘇市が南海トラフ地震想定で初の避難訓練 危険場所の確認やタイムライン作成
熊本日日新聞 -
ロアッソ熊本、GK佐藤と契約更新 サッカーJ2
熊本日日新聞
STORY
連載・企画-
移動の足を考える
熊本都市圏の住民の間には、慢性化している交通渋滞への不満が強くあります。台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出などでこの状況に拍車が掛かるとみられる中、「渋滞都市」から抜け出す取り組みが急務。その切り札とみられるのが公共交通機関の活性化です。連載企画「移動の足を考える」では、それぞれの交通機関の現状を紹介し、あるべき姿を模索します。
-
学んで得する!お金の話「まね得」
お金に関する知識が生活防衛やより良い生活につながる時代。税金や年金、投資に新NISA、相続や保険などお金に関わる正しい知識を、しっかりした家計管理で安心して生活したい記者と一緒に、楽しく学んでいきましょう。
※次回は「家計管理」。11月25日(月)に更新予定です。