熊本市内の渋滞解消、年内に具体策 「10分・20分構想」の取り組み推進 県、熊本市がトップ会談
熊本県の木村敬知事と熊本市の大西一史市長は18日、慢性化している熊本都市圏の交通渋滞解消に向けた初めてのトップ会談を県庁で開いた。熊本市内で取り組む、交差点の改良や効率的な信号制御といった短期的対策を年内に具体化することで合意。中・長期的な抜本策の方向性でも一致した。
会談は非公開で、交通政策を担当する県の亀崎直隆副知事や熊本市の深水政彦副市長のほか、県・市の関係部局長らも同席した。
熊本市内での短期的な対策では、渋滞が発生する175カ所について、交差点改良などの対策でどの程度の渋滞解消効果が見込めるかを分析。8月19日の県・市調整会議で報告するとした。
中・長期的な対策では、高規格道路の中九州横断道路、熊本西環状道路と九州自動車道をつなぐ「熊本環状連絡道路」の早期事業化を国に要望。市中心部と九州道のインターチェンジや熊本空港を高規格道路で結ぶ県と市の「10分・20分構想」の実現に向けた取り組みを進めることも申し合わせた。
自家用車から公共交通への転換を図ることでも合意。自動車の利用を1割削減し、公共交通の利用を2倍にする目標を掲げた。目標を達成するため、JR豊肥線の輸送力強化に向けた国への要望でも足並みをそろえる。
会談後、木村知事は「県と熊本市のトップが渋滞について腹を割って話すことは(過去に)なかった。方向性を共有できたことが大きな成果だ」と強調。大西市長は「課題が明確になった。これから連携を深めることで、(渋滞対策が)かなり進んでいくと実感している」と述べた。(嶋田昇平)
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