県工業大賞にヤマックス(熊本市) 大型コンクリート部材の接合技術を開発

熊本日日新聞 2024年5月27日 17:38
ヤマックスが開発した「圧着式接合工法」を使って道路建設を進める作業現場。通常より高い強度の鉄筋が入ったコンクリート部材を別の部材にはめ込み、締め付け用のナットで接合している(ヤマックス提供)
ヤマックスが開発した「圧着式接合工法」を使って道路建設を進める作業現場。通常より高い強度の鉄筋が入ったコンクリート部材を別の部材にはめ込み、締め付け用のナットで接合している(ヤマックス提供)

 熊本県工業連合会(田中稔彦会長)は2023年度の県工業大賞に、大型コンクリート製品の部材同士を接合する技術を開発したヤマックス(熊本市)を選んだ。業界では珍しい方法で、建設現場での作業効率化につながると評価した。

 ヤマックスが開発した技術は「圧着式接合工法(PJ工法)」。自動車専用道路などの高規格道路と、市道や町道などが交わる立体交差部分に使われる箱型の大型製品を、建設現場で組み立てる時に使う。通常より3割ほど高い強度の鉄筋が入ったコンクリート部材を、別のコンクリート部材にはめ込み、締め付け用のナットで接合する。

ヤマックスが開発した「圧着式接合工法」を使って道路建設が進む作業現場(ヤマックス提供)
ヤマックスが開発した「圧着式接合工法」を使って道路建設が進む作業現場(ヤマックス提供)

 業界ではこれまで、製品の接合部分に現場で作った生コンクリートを流し込んで固める方法などがあった。ヤマックスの技術を使うと、生コン作りなどは不要になり、作業員の手間や作業時間が減るという。

 15年に開発に着手し、九州大の研究者らと共同研究を進めてきた。土木学会などで論文を発表しており、耐久性や安全性について学識者の評価を得ているという。ヤマックスは「県内含む九州内の国発注の工事5件で採用された。今後も顧客のニーズに合わせて提案していきたい」としている。

 このほか、イチゴの選別と計量を省力化する機器を開発したオーケープランニング(熊本市)が奨励賞を受賞した。(山本文子)

ヤマックスが開発した「圧着式接合工法」を使って道路建設が進む作業現場(ヤマックス提供)
ヤマックスが開発した「圧着式接合工法」を使って道路建設が進む作業現場(ヤマックス提供)

RECOMMEND

あなたにおすすめ
Recommend by Aritsugi Lab.

KUMANICHI レコメンドについて

「KUMANICHI レコメンド」は、熊本大学大学院の有次正義教授の研究室(以下、熊大有次研)が研究・開発中の記事推薦システムです。単語の類似性だけでなく、文脈の言葉の使われ方などから、より人間の思考に近いメカニズムのシステムを目指しています。

熊本日日新聞社はシステムの検証の場として熊日電子版を提供しています。本システムは研究中のため、関係のない記事が掲出されこともあります。あらかじめご了承ください。リンク先はすべて熊日電子版内のコンテンツです。

本システムは「匿名加工情報」を活用して開発されており、あなたの興味・関心を推測してコンテンツを提示しています。匿名加工情報は、氏名や住所などを削除し、ご本人が特定されないよう法令で定める基準に従い加工した情報です。詳しくは 「匿名加工情報の公表について」のページ をご覧ください。

閉じる
注目コンテンツ
熊本の経済ニュース