県工業大賞にヤマックス(熊本市) 大型コンクリート部材の接合技術を開発
![ヤマックスが開発した「圧着式接合工法」を使って道路建設を進める作業現場。通常より高い強度の鉄筋が入ったコンクリート部材を別の部材にはめ込み、締め付け用のナットで接合している(ヤマックス提供)](/sites/default/files/styles/crop_default/public/2024-05/IP240521TAN000025000_03.jpg?itok=qlCizqAF)
熊本県工業連合会(田中稔彦会長)は2023年度の県工業大賞に、大型コンクリート製品の部材同士を接合する技術を開発したヤマックス(熊本市)を選んだ。業界では珍しい方法で、建設現場での作業効率化につながると評価した。
ヤマックスが開発した技術は「圧着式接合工法(PJ工法)」。自動車専用道路などの高規格道路と、市道や町道などが交わる立体交差部分に使われる箱型の大型製品を、建設現場で組み立てる時に使う。通常より3割ほど高い強度の鉄筋が入ったコンクリート部材を、別のコンクリート部材にはめ込み、締め付け用のナットで接合する。
![ヤマックスが開発した「圧着式接合工法」を使って道路建設が進む作業現場(ヤマックス提供)](/sites/default/files/styles/crop_default/public/2024-05/IP240521TAN000028000_04.jpg?itok=hpvJ0yqu)
業界ではこれまで、製品の接合部分に現場で作った生コンクリートを流し込んで固める方法などがあった。ヤマックスの技術を使うと、生コン作りなどは不要になり、作業員の手間や作業時間が減るという。
15年に開発に着手し、九州大の研究者らと共同研究を進めてきた。土木学会などで論文を発表しており、耐久性や安全性について学識者の評価を得ているという。ヤマックスは「県内含む九州内の国発注の工事5件で採用された。今後も顧客のニーズに合わせて提案していきたい」としている。
このほか、イチゴの選別と計量を省力化する機器を開発したオーケープランニング(熊本市)が奨励賞を受賞した。(山本文子)
![ヤマックスが開発した「圧着式接合工法」を使って道路建設が進む作業現場(ヤマックス提供)](/sites/default/files/styles/crop_default/public/2024-05/IP240521TAN000026000_03.jpg?itok=CFNSYta3)
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