「復興のシンボル」住民ら歓喜 新阿蘇大橋が開通

熊本日日新聞 | 2021年03月08日 07:00

新阿蘇大橋が開通し、国道57号から橋を渡る車に手を振る住民ら=7日午後2時55分ごろ、南阿蘇村立野(小野宏明)

 2016年4月の熊本地震で崩落した阿蘇大橋に替わる国道325号新阿蘇大橋(南阿蘇村)が開通した7日、地元住民や観光業者らは、4年11カ月ぶりとなる南阿蘇地域の大動脈の復活を歓迎した。「通勤が楽になる」「活気が戻る」-。待ち望んだ瞬間に、歓喜の声が上がった。

 17年8月に復旧した代替道路の長陽大橋ルートはカーブが連続し、急坂もある。大津町役場に勤める同村河陰の佐藤さくらさん(18)は「これからは新橋を通るので心理的に楽。熊本都市圏が近くなり、通勤や買い物が便利になる」と喜んだ。

 「長陽大橋ルートは速度が落ち、後続車に迷惑をかけていた。新橋は急坂がなく、ガソリン代が減りそう」。高森町と熊本市の間などで木材を運搬する星本急配(小国町)の星本憲一社長(52)もうれしそうに話した。

 この日の開通後には早速、多くの観光客が新橋を渡った。立野地区側から歩行者第1号で渡った熊本市中央区の会社員治田康幸さん(62)は「復興のシンボルとなる立派な橋。今度は趣味のバイクで渡り、温泉を楽しみたい」と汗を拭った。

 熊本都市圏から南阿蘇地域に向かう観光客の通行は、19年9月に復旧した県道熊本高森線俵山ルートに偏りがちだった。それが、国道325号に戻ることへの期待も大きい。

 同村河陽の325号沿いでソフトクリーム店を営む大塚きよみさん(44)は地震後、長陽大橋ルート開通まで休業。再開後も客は地震前から3割減が続いた。「交通アクセスの悪いイメージはぬぐえなかった。新橋開通で変わるはず。多くのお客さんと再会したい」

 ガソリンスタンドを兼ねた食料品店を営む井手一誠さん(59)=同村河陽=は地震後、ジャムやお茶など村内事業者の加工品を充実させた。妻美佐子さん(56)は「本格的な復興に向けて、これからが腕の見せどころ」と気を引き締めた。

 新橋を眼下に望む阿蘇東急ゴルフクラブ=同=の宿泊施設には、橋の再建工事に当たる作業員が宿泊。日々伸びていく橋桁を見守り続けた吉野和男総支配人(53)は「24時間態勢で従事した工事関係者に感謝したい。今度は私たちが、阿蘇の観光拠点としての役割を果たしていきたい」と決意を新たにした。(東誉晃、植山茂)

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