【この人に聞く・熊本地震26】熊本市中心商店街等連合協議会長の松永和典さん にぎわい戻り始めた中心街 「『街中は楽しい』広めたい」
熊本地震から3カ月が経過し、熊本市中心商店街に買い物や観光の客足が戻ってきた。新市街、下通、上通など中心商店街8団体でつくる熊本市中心商店街等連合協議会の松永和典会長(下通繁栄会長)に、被災状況や復興への取り組みを聞いた。(石本智)
-今回の地震ではビルの壁面がはがれたり、看板が落下するなど中心商店街も大きな被害を受けました。
「協議会全体の状況は把握していないが、下通では会員180店舗のうち4店舗が撤退し、10店舗が休業中だ。全壊の建物はなかったが、3棟が大規模半壊。アーケードも建物と屋根部分にずれが生じて雨漏りが発生し、歩道のタイルも破損した。買い物客に迷惑をおかけしている」
-被災後、会員店舗にまず呼び掛けたことは。
「できるだけ早く店を再開させること。地震発生直後、東日本大震災を経験した仙台商工会議所(宮城県)から『店が開けば地域の活力につながる』との助言があり、文書を配った。そのかいもあって5月の1カ月間、アーケード街で開いた復興バザールには、8割近い店舗が参加してくれた」
-中心商店街にも少しずつにぎわいが戻ってきているようですが。
「郊外の大型ショッピングセンターの休業が長引いたことも要因としてあるだろう。集客には路上コンサートなど各種イベントも大きかった。休日に家族連れなどが多く足を運んでくれている。これを機会に、街中は楽しいと再確認してもらえればと思う」
-復興をどう進めていきますか。
「(複数の事業所が連携して取り組む復興事業を支援する)中小企業等グループ補助金をはじめ、店舗の再建やアーケードの補修、復興関連イベントの開催などさまざまな支援制度をフルに活用したい。桜町や旧ダイエー下通店跡地で進む中心市街地の再開発事業と、並行して復興整備も進めていければと考えている」
-火の国まつり運営委員会長として、まつりを共催する熊本市に開催を働き掛けましたが。
「こんな時だからこそ、市民を元気づけたかった。規模が縮小される恐れもあったが、関連イベントを含め例年通りの開催ができそうだ。初参加の団体からも打診が来ている。『がんばろう!熊本』のスローガンの下、復興に向けた活力を発信していきたい」
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