【この人に聞く・熊本地震⑫】熊本市災害ボランティアセンター長の中川奈穂子さん 依頼減、今後の活動は? 「埋もれたニーズ掘り起こす」

熊本日日新聞 2016年6月26日 00:00
 ◇<b>なかがわ・なおこ</b> 第一高卒業後、1984年4月、熊本市入庁。中央区まちづくり推進課主幹、区政推進課副課長などを経て、今年4月から同市社会福祉協議会事務局長を務める。51歳。
 ◇なかがわ・なおこ 第一高卒業後、1984年4月、熊本市入庁。中央区まちづくり推進課主幹、区政推進課副課長などを経て、今年4月から同市社会福祉協議会事務局長を務める。51歳。

 熊本地震発生から2カ月余り。熊本市社会福祉協議会が同市中央区の花畑広場(仮称)に開設した市災害ボランティアセンターへの依頼数は、6月に入り減少傾向にあるという。中川奈穂子センター長に今後の活動について聞いた。(石本智)

 -4月22日のセンター開設から、2カ月が経過しました。

 「参加者はこれまでに延べ3万人を超えている。8割以上が県外在住者で、本当にありがたい。これまでは個人宅のがれき撤去や家財道具の片付けが中心だったが、仮設住宅入居者向けの引っ越しボランティアも始まる」

 -現在の依頼数は。

 「ピーク時のゴールデンウイーク(GW)前後は派遣人数が1日1000人を超えていたが、6月に入って東区と南区のサテライト施設分を合わせても200~240人程度と落ち着いてきた。ただ、南区川尻や北区龍田など被害家屋が多い割に依頼が少ない地域もあり、再度チラシを配布して埋もれたニーズの掘り起こしを図っている」

 -受け付け開始時刻(午前9時)の前に募集数に達し、希望者を断るケースも多いと聞きます。他地域に回ってもらうことはできませんか。

 「依頼数に応じて派遣するので仕方がない面もあるが、朝早く遠方から訪れる人もおり、申し訳ない気持ち。GW明けごろは、人手不足だった宇城市や嘉島町などを紹介したこともあったが、現在はほぼ足りていると聞く。県外の方が多く移動手段や時間も考えると、募集締め切り後に他地域を紹介するのは現実的に難しい」

 -運営で気を付けている点は。

 「ボランティアの安全面。無事に戻ってきてもらうのが第一なので、要望の多かった屋根のブルーシート掛けや全壊家屋からの物品搬出は、危険が伴うため受け付けなかった」

 -依頼を迷っている人へひとこと。

 「被災者の生活再建のお手伝いをするのが私たちの役割。事前の現地確認が必要な案件でなければ、今は即日対応できる。ニーズがある限りボランティア派遣は続くので、ぜひ相談してほしい」

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