【この人に聞く・熊本地震③】熊本市復興部長の井上隆さん 復興計画、どうつくる? 「地域、団体の声取り入れる」 

熊本日日新聞 2016年6月2日 00:00
 ◇<b>いのうえ・たかし</b> 1986年4月入庁。健康福祉子ども局健康福祉政策課長、経済観光局産業部首席審議員などを経て、5月6日から現職。熊本市在住。53歳。
 ◇いのうえ・たかし 1986年4月入庁。健康福祉子ども局健康福祉政策課長、経済観光局産業部首席審議員などを経て、5月6日から現職。熊本市在住。53歳。

 熊本市震災復興計画(仮称)策定に向けた座談会が1日から始まった。計画づくりの進め方について、熊本市の井上隆復興部長に聞いた。(高橋俊啓)

 -復興計画とはどんなものですか。

 「熊本地震によって被害を受けた施設、産業、地域などをどうやって元通りにするのか、あるいは地震前とは違う形にするのかなどの道筋を、市民に具体的に示すもの。避難所生活を送る被災者がいる中での議論は心苦しい面もあるが、復興の準備を始めないといけない」

 -策定までの具体的なスケジュールは。

 「1日から22日まで、15回の座談会を開く。各地域の代表の声を聞く回と、教育や医療福祉、経済、農水産など各種団体の回を設けており、いずれも市長や局長級の幹部職員が参加する。8月までには、計画の素案を示したい」

 -座談会のメンバーはあらかじめ選定しています。どんな議論を期待しますか。

 「本来は多くの意見を聞きたいが、復旧の途中でもあり、代表者の意見を伺うことにした。柱は二つ。一つは熊本地震の対応で行政が反省すべき点。もう一つは復興に向け、どんな取り組みが望ましいのか。フリートーク形式で進めていく」

 -参加できない市民の意見は反映されないのですか。

 「パブリックコメントを募るなどして、取り入れる方針だ。市民の意見を聞き、議会の議論も踏まえて計画をつくっていく」

 -座談会は仙台市を模範としています。

 「仙台市の座談会は7回。熊本市の方が開催数も、意見を聞く団体数も多い。被害が全域に広がっており、さらに地域によって被害の違いもあるからだ」

 -桜町地区再開発や大型集客施設(MICE施設)整備などを盛り込んだ、第7次市総合計画(2016~23年度)との整合性は。

 「総合計画の前期(17~19年度)計画と位置付ける。総合計画は地震前の3月に策定したもの。復興計画の内容によっては、変更する点が出てくる可能性もある。復興計画は着実に実現できるよう、各事業の財源を示すつもりだ」

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