南有明海域の反乱 幕藩国家揺るがす衝撃 【細川キリシタン群像/稲葉継陽⑨】

熊本日日新聞 2023年9月20日 06:05
原城落城の半月後に細川家中の千賀市右衛門が提出した戦功申告書。本丸で生捕りにした5人は「御国之内高橋之者」で、家老から細川忠利に渡され、尋問の上で成敗されたと記す。幕府には知らされず、存在を抹殺されたのだろう。一揆が島原対岸の熊本領にも拡大しつつあったことを示す重要史料(熊本大学所蔵松井家文書)

 「島原・天草一揆」というが、実際には島原・天草の全土の住民が参加したわけではなかった。  寛永14(1637)年10月26日に島原城下を襲ってから10日たらずの間に、一揆は島原半島南部12カ村の百姓とその家族ら合わせて2万5千人に膨れ上...

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