避難者「どう責任を取るのか」 原発処理水放出、厳しい視線

共同通信 2023年8月31日 04:25
 福島県郡山市から新潟市に避難した菅野正志さん=24日、新潟市
 福島県郡山市から新潟市に避難した菅野正志さん=24日、新潟市

 東京電力福島第1原発の処理水放出を巡り、中国による水産物輸入停止や、相次ぐ迷惑電話など波紋が広がる。原発事故で古里を奪われた避難者は、放出日を決めた22日に岸田首相が述べた「今後数十年、処理水の処分完了まで政府が責任を持つ」との言葉に「政府や東電の人事は数年で変わる。どうやって責任を取るのか」と厳しい視線を向ける。

 福島県郡山市から新潟市に避難した菅野正志さんは、24日の放出開始に「早かった。地元の意見に関係なく決まっていたのだろう」とあきれる。

 風評被害対策や漁業支援で、基金設置や賠償方針を強調する政府と東電。菅野さんは「政府と東電はどうやって責任を取るのか。約束を守ってくれるとは到底思えない」と怒りがにじむ。

 「放出をすぐにでも止めてほしい」と求めるのは福島県伊達市から名古屋市に避難した岡本早苗さん。処理水にトリチウムが残留している点を「東電が放射性物質を放出するのは、原発事故の被害を繰り返すようなものだ」と指摘。「蒸発させて減らしたり、保管タンクを増設したり、今からでも検討してほしい」と話す。

RECOMMEND

あなたにおすすめ
Recommend by Aritsugi Lab.

KUMANICHI レコメンドについて

「KUMANICHI レコメンド」は、熊本大学大学院の有次正義教授の研究室(以下、熊大有次研)が研究・開発中の記事推薦システムです。単語の類似性だけでなく、文脈の言葉の使われ方などから、より人間の思考に近いメカニズムのシステムを目指しています。

熊本日日新聞社はシステムの検証の場として熊日電子版を提供しています。本システムは研究中のため、関係のない記事が掲出されこともあります。あらかじめご了承ください。リンク先はすべて熊日電子版内のコンテンツです。

本システムは「匿名加工情報」を活用して開発されており、あなたの興味・関心を推測してコンテンツを提示しています。匿名加工情報は、氏名や住所などを削除し、ご本人が特定されないよう法令で定める基準に従い加工した情報です。詳しくは 「匿名加工情報の公表について」のページ をご覧ください。

閉じる
注目コンテンツ
全国のニュース 「科学・環境」記事一覧