「マイ・タイムライン」作成3割弱 災害時の行動計画、浸透道半ば 「知らない」4割に 防災の日アンケート
![2020年7月の豪雨では避難所で大勢の被災者が身を寄せた=人吉市](/sites/default/files/styles/crop_default/public/2023-08/IP230829CTS000003000_01.jpg?itok=ZuxTL_sI)
9月1日の「防災の日」を前に、熊日はSNSこちら編集局のLINE(ライン)登録者を対象に、災害への備えに関するアンケートを実施した。大雨や台風を想定した事前防災行動計画「マイ・タイムライン」を用意していると答えた人は3割に満たず、普及が進んでいない実態が浮き彫りになった。
タイムラインは自治体などが洪水発生や台風上陸を想定し、いつ、誰が、何をするかを時系列に整理。マイ・タイムラインはその個人・家庭版で、2015年に茨城県常総市の鬼怒川堤防が決壊した豪雨災害を機に国土交通省が推奨を始めた。熊本県も、作成を支援する専用サイト「くまもとマイタイムライン」を開設している。
アンケートは8月18~24日に実施。熊本県内を中心に283人から回答を得た。それによると、マイ・タイムラインを作成していない理由で最も多かったのが「マイ・タイムラインを知らない」で、41・0%だった。次いで「作り方がわからない」(27・2%)、「自分には必要ない」(15・8%)だった。
具体的には「避難場所がすぐ近くなので、細かいところまで考えていない」(熊本市、パート、60代女性)、「必要と感じているが、まだじっくりと考えたことがない」(熊本市、公務員、40代)との声が寄せられた。
![2020年7月の豪雨でボートで救助される被災者=球磨村](/sites/default/files/styles/crop_default/public/2023-08/IP200704TAN000200000_03.jpg?itok=jIhAmNIo)
県や各市町村は2020年7月の熊本豪雨を受け、小中高校などで作成を支援するワークショップを開くなどマイ・タイムラインの普及を進めていた。
アンケート結果について県危機管理防災課は「個別の行動計画と聞くとハードルが高いと感じる人が多いのかもしれない」と分析。避難情報に応じた避難先を各家庭で決めておくことから始めることを推奨した上で、「実家の祖父母と一緒に考えることで具体的な避難や備えの課題も見えてくる」としている。(堀江利雅)
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