ロシアの探査機が月面衝突、失敗 威信かけた宇宙開発に打撃
【モスクワ共同】ロシア国営宇宙企業ロスコスモスは20日、今月11日に打ち上げた無人月探査機「ルナ25号」が月面着陸前の軌道を外れ、月面に衝突したと発表した。延期を繰り返した末、国の威信をかけて打ち上げたが、失敗によりロシアの宇宙開発計画に大きな打撃となる。
成功すれば史上初めて月の南極近くに着陸する探査機となるはずだった。月の南極周辺では水が氷の状態で存在する可能性があり、各国が資源として注目している。
ロスコスモスによると、19日に通信が途絶えた後、20日にかけて捜索を続けていた。本来の軌道を外れた探査機が月面と衝突し、消滅したと分析している。
ロシアによる月探査機打ち上げは旧ソ連時代の1976年以来。ロスコスモスは当初、ルナ25号を21日に月の南極付近に軟着陸させる予定だった。同社は19日、着陸前の軌道へ移行中に異常事態が発生したとしていた。
一方、インドは7月14日に南極を目指して無人月探査機「チャンドラヤーン3号」を打ち上げており、今月23日に軟着陸する予定とされる。
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