核実験や原発事故、氷床で確認 人新世、放射性物質指標に
東京大などのチームは、核実験や原発事故、使用済み核燃料再処理工場由来とみられる地球規模の放射性物質放出の痕跡を、北極圏の氷床で確認したと、国際学術誌電子版に発表した。分析に利用した放射性物質は長期にわたり環境に残るため、人類が地球に及ぼした影響を刻む新たな地質年代「人新世」の有効な指標になり得るという。
チームが着目したのは、放射性物質の量が半分になる半減期が1570万年の「ヨウ素129」。自然界にも存在するが、大半は核実験や原発など人為的な核利用で生成されるという。
チームは、グリーンランド南東にある氷床の頂上で掘削された氷を調査。氷は過去の大気を地層のように閉じ込めており、1950年代後半~60年代前半に当たる部分から高濃度のヨウ素129を検出。米国と旧ソ連が大気圏核実験をした時期と、おおむね一致した。
70年代も濃度が高く、核燃料の切断や溶解などの工程がある英仏の再処理工場からの放出記録と重なった。86年4月に起きたチェルノブイリ原発事故の翌年にも顕著な放出の痕跡が確認された。
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