熊本・江津湖花火大会、動植物園の対応は? 動物は寝室…「音」から守る 家庭のペットにも注意を!
![熊本市動植物園のマサイキリン。花火大会では、飼育員が寄り添うなどして大きな音から守る](/sites/default/files/styles/crop_default/public/2023-08/IP230728CTS000007000_01.jpg?itok=sLxhhUSH)
この夏は各地で花火大会が復活している。熊本県内でも26日、熊本市東区で江津湖花火大会が4年ぶりに開かれる。ただ、打ち上げ会場は市動植物園の隣接地。「長時間にわたる爆発音や振動、光など、飼育されている動物への影響が心配」という声が「SNSこちら編集局」(S編)に寄せられた。人間にとっては夏の風物詩だが、動物に影響はないのか。関係者に取材した。
市主催の花火大会は2010年にいったん終了したが、15年に再開。新型コロナウイルスの影響で20年から実施が見送られてきた。大会当日は午後7時15分から1時間かけて約1万発を打ち上げる。打ち上げ場所は動植物園から約600メートルほどの水前寺江津湖公園の広木地区だ。
同園によると、打ち上げ前には、動物たちを寝室に入れ、暑さ対策をした上で窓を閉めて花火の音から遠ざける。特に神経質なシマウマやキリンなどには、飼育員が寄り添ったり、巡回の頻度を増やしたりするなどの対策をとる。内容は過去の大会と同様という。
![熊本・江津湖花火大会、動植物園の対応は? 動物は寝室…「音」から守る 家庭のペットにも注意を!](/sites/default/files/styles/crop_default/public/2023-08/IP230728MAC000012000_00.jpg?itok=uv7b_3nR)
過去には、ペンギンやチンパンジー、ホッキョクグマなどが一時的に警戒を示す動きを見せたことがあったが、自らへの威嚇ではないと分かると落ち着いたという。同園の獣医師、上野明日香さんは「動物のストレスが抑えられるよう、万全の対策を取りたい」と気を引き締める。
家庭のペットにも注意が必要だ。竜之介動物病院(同市中央区)の德田竜之介院長(61)は、犬猫は人間よりも聴力が高いため、「彼らにとって大きな音は恐怖でしかない。パニックや不安症を引き起こす可能性があるので会場近くには絶対に連れていかないように」と警鐘を鳴らす。これまでにも花火や雷の音にストレスを感じ、消化器系が不調になって受診したケースも多い。
心臓の病気やてんかん発作などの持病を持っている犬は、死に至ることもあり、要注意という。德田院長は、会場近くで飼っている犬を家の中に入れることも勧める。「家の中でも音が聞こえるなら、音楽をかけたり、テレビの音量を上げたりした方がいい」と助言している。(樋口琢郎、石井颯悟)
RECOMMEND
あなたにおすすめPICK UP
注目コンテンツNEWS LIST
熊本のニュース-
「全容を明らかに」 元城南町議殺害、発生3年で容疑者逮捕 近隣住民に安堵感
熊本日日新聞 -
北里柴三郎と恩師の強い絆、文面に 小国町の記念館、手紙複製を展示
熊本日日新聞 -
熊本空港、貨物便が苦戦 取扱量はコロナ禍前の半分 県、時間延長など機能強化へ
熊本日日新聞 -
長崎次郎書店(熊本市)休業前最後の営業終える 150年の歴史に区切り 常連客ら別れ惜しむ
熊本日日新聞 -
大津高8発大勝 7連勝で首位堅持 サッカー高円宮杯U-18プレミア西地区
熊本日日新聞 -
フォレストリーヴズ熊本は10位 バレーボールのVサマーリーグ西部大会
熊本日日新聞 -
一般男子は熊本刑務所Aが連覇 熊日旗争奪熊本県一般剣道
熊本日日新聞 -
【新札の顔・柴三郎 偉人の残像㊥】「光る縁側」医学者の原点 今も地元児童ら雑巾がけ
熊本日日新聞 -
元城南町議殺害、強盗殺人疑いで男2人を逮捕 熊本県警
熊本日日新聞 -
大嶋(近大)女子50メートル自由形で県新 熊本県水泳選手権
熊本日日新聞
STORY
連載・企画-
移動の足を考える
「すべての道は熊本に通じる」とは、蒲島郁夫前知事が熊本県内の道路整備に向けた意気込みを語る際に使ってきたフレーズ。地域高規格道路などの骨格的な道路や鉄道網は、地域・産業の活性化はもちろん大規模災害時の重要性も注目されています。連載企画「移動の足を考える」では、熊本県内の〝足〟の現在の姿を紹介し、未来の形を考えます。
-
学んで得する!お金の話「まね得」
お金に関する知識が生活防衛につながる時代。税金や年金、投資に新NISA、相続や保険などお金に関わる正しい知識を、ファイナンシャルプランナー(FP)の資格取得を目指す記者と一緒に楽しく学んでいきましょう。
※次回は「相続・贈与は難しい」前編。7月12日(金)に更新予定です。