熊本・江津湖花火大会、動植物園の対応は? 動物は寝室…「音」から守る 家庭のペットにも注意を!
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この夏は各地で花火大会が復活している。熊本県内でも26日、熊本市東区で江津湖花火大会が4年ぶりに開かれる。ただ、打ち上げ会場は市動植物園の隣接地。「長時間にわたる爆発音や振動、光など、飼育されている動物への影響が心配」という声が「SNSこちら編集局」(S編)に寄せられた。人間にとっては夏の風物詩だが、動物に影響はないのか。関係者に取材した。
市主催の花火大会は2010年にいったん終了したが、15年に再開。新型コロナウイルスの影響で20年から実施が見送られてきた。大会当日は午後7時15分から1時間かけて約1万発を打ち上げる。打ち上げ場所は動植物園から約600メートルほどの水前寺江津湖公園の広木地区だ。
同園によると、打ち上げ前には、動物たちを寝室に入れ、暑さ対策をした上で窓を閉めて花火の音から遠ざける。特に神経質なシマウマやキリンなどには、飼育員が寄り添ったり、巡回の頻度を増やしたりするなどの対策をとる。内容は過去の大会と同様という。
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過去には、ペンギンやチンパンジー、ホッキョクグマなどが一時的に警戒を示す動きを見せたことがあったが、自らへの威嚇ではないと分かると落ち着いたという。同園の獣医師、上野明日香さんは「動物のストレスが抑えられるよう、万全の対策を取りたい」と気を引き締める。
家庭のペットにも注意が必要だ。竜之介動物病院(同市中央区)の德田竜之介院長(61)は、犬猫は人間よりも聴力が高いため、「彼らにとって大きな音は恐怖でしかない。パニックや不安症を引き起こす可能性があるので会場近くには絶対に連れていかないように」と警鐘を鳴らす。これまでにも花火や雷の音にストレスを感じ、消化器系が不調になって受診したケースも多い。
心臓の病気やてんかん発作などの持病を持っている犬は、死に至ることもあり、要注意という。德田院長は、会場近くで飼っている犬を家の中に入れることも勧める。「家の中でも音が聞こえるなら、音楽をかけたり、テレビの音量を上げたりした方がいい」と助言している。(樋口琢郎、石井颯悟)
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熊本市出身。早回しの歌に乗せた形態模写やデフォルメの効いた顔まねでデビューして45年。声帯模写も身に付けてコンサートや座長公演、ドラマなど活躍の場は限りなく、「五木ロボ」といった唯一無二の芸を世に送り続ける“ものまね界のレジェンド”です。その芸の奥義と半生を「ものまね道」と題して語ります。