熊本県、流水型ダム建設の五木村振興に100億円 財政支援を正式表明

熊本日日新聞 | 2023年3月3日 11:41

100億円規模の五木村への財政支援を正式に表明した田嶋徹副知事=3日、県議会棟

 熊本県は3日の定例県議会本会議で、球磨川支流・川辺川への流水型ダム建設が計画されている地元の五木村振興に対する総額100億円規模の財政支援を正式に表明した。2023年度からおおむね20年間かけて、ダムの貯水時に一部地区の水没が想定される五木村の経済対策やインフラ整備を後押しする。

 五木村の振興について、自民党県議団の小早川宗弘氏(八代市・郡区)が代表質問。田嶋徹副知事は「中長期的な財政支援の枠組みを構築する。村民が主体となり、将来を見据えた振興に取り組んでもらいたい」と答弁した。

 田嶋副知事は、国と県、村の3者で協議し、3月末までに新たな村の振興計画の合意を図る考えを改めて強調。計画策定後には、蒲島郁夫知事が村民に中身を直接説明する機会を設けることも説明した。

 100億円規模の財政支援は、振興計画を進めるための財源の裏付けとなる。半分の50億円は村が活用できる基金に積み立てて、観光振興や村道整備といった対策に充ててもらう。

 この50億円は県からの交付金として、基金の使用状況に応じて段階的に交付する。まずは、23年度一般会計当初予算案に交付金10億円を計上した。

 財政支援の残り50億円の活用法については、国、県、村の3者で決める。

 振興計画の大枠を取りまとめた素案には、急激に進む村の人口減に歯止めをかける施策を列挙。移住・定住に向けた住まいの確保や、平場の整備、周遊観光ルートの構築などを盛り込んでいる。(髙宗亮輔)

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