郡市対抗熊日駅伝にドラマあり! 7連覇中「最強」熊本市 薄氷Vの17年、主力欠場を全員でカバー 天草市も4連覇を経験 主要区間の好走が鍵 あす号砲【ランナー記者の目】
天草市から熊本市まで、14区間103・3キロでたすきをつなぐ郡市対抗熊日駅伝(男子)が2月12日に開催される。3年ぶりの公道でのレースとなる今回、栄冠はどこが手にするのか? 男子の玉名市代表として過去8回出場した経験がある熊日の岡本遼記者(26)が過去の大会のドラマを分析し、勝敗のポイントをチェックした。(岡本遼)
◇ ◇
2015年から7連覇中と他を寄せ付けない強さを見せるのは熊本市だ。中学、高校、大学・一般の全ての世代で選手層が厚く、7連覇のうち2位に3分以上の差をつけたのが4回。前半6区までに先頭に立ち、そのまま逃げ切る展開が定石だ。
その熊本市が2位に最も迫られたのが3連覇を達成した17年の49秒差だ(新型コロナによるコース変更で例年よりも距離が短かった21年を除く)。この年はエース区間の4区を出走予定だった選手が体調不良になり、急きょメンバーを変更するアクシデントがあった。
記者はこの年、玉名市の8区で出場した。中継所のJR三角駅(宇城市)では熊本市の出遅れが広まり、周囲がざわついたのを覚えている。記者は8区を想定以上の3位でスタート。調子が良くて軽快に走っていたが、中盤の4キロ過ぎで熊本市の高校生に抜かれた。熊本市の出遅れもあって、順位の入れ替わりが激しいレース展開だった。
熊本市は4区終了時点では、首位と3分28秒差の9位に沈んでいた。だが中盤の5、6、8区で区間賞を獲得するなどして徐々に追い上げ、12区で球磨郡を逆転してトップに立つと、そのまま振り切った。
前半に出遅れて前を追いかける展開だと、どうしても前半からハイペースになってしまい、後半失速することも多い。しかし、熊本市の選手は冷静に自分のペースで走り、記者が抜かれた8区で2位まで順位を上げた。力がある選手は、どのような展開でも自分でペースをつくって好走を見せる。アクシデントにもかかわらず優勝を譲らなかった熊本市が選手層の厚さを見せつけた印象深いレースだった。
◇ ◇
熊本市以外では、11~14年にかけて天草市が4連覇を達成している。連覇の要因は、順位変動が激しいスピード区間の2区と、11キロ以上の距離を走るエース区間の3、4区に有力選手を配置できたことだ。4連覇中は同区間を走った選手が全員、区間3位以内の好走を見せて、レースの主導権を握っていた。
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