分別違反ごみ、誰が後始末してるの? 苦悩する自治会 ごみ袋に記名、ステーション分散…対策工夫で効果も 

熊本日日新聞 | 2023年1月25日 06:30

「ルール違反」のシールが貼られたごみ袋=2022年12月下旬、熊本市
尾ノ上校区第9町内自治会が、ごみステーションの移設を知らせるために貼った案内

 地域のごみステーションで収集される家庭ごみについて、熊本県菊池市の男性(68)から「ルールに違反して残ったごみの処理方法」に関する疑問が寄せられた。「SNSこちら編集局」(S編)で取材すると、違反者に代わって分別する地区住民の苦悩や、自治会の対策が見えてきた。

 県循環社会推進課によると、家庭ごみなど一般廃棄物の処理は廃棄物処理法に基づき市町村がルールや収集日を決める。菊池市の場合、条例で「適切なごみ処理は市民の責務」と定めており、ルールに違反したごみは収集しない。そのため各地区で、違反者に代わって住民が分別をやり直している現状があるという。

 S編に疑問を寄せた男性が住む地区でも、違反ごみが1カ月間ステーションに残されるなど対応に頭を悩ませてきた。そこで自治会は昨年4月から、ごみ袋に名前を書くルールを定めた。プライバシーから難色を示す人もいたが、ルールを定めてからは違反ごみの数が減少したという。玉名郡市や人吉・球磨地域などでは、ごみ袋に名前を書くルールを市町村単位で採用している自治体もある。

 熊本市でも違反ごみは収集せず、「ルール違反」のシールを貼って改善を促す。悪質なごみ出しが続いた場合は、袋の開封調査をして違反者に改善を呼びかけることもあるという。

 市廃棄物計画課によると、2017年度に約3万3千枚だったシールは、20年度には3分の1に減った。それでも複数の自治会から「違反者の代わりに分別するごみステーション担当者の負担が大きい」との声が上がり続けている。

 熊本市東区の尾ノ上[おのうえ]校区第9町内では長年、地区外の住民が通勤途中に勝手にごみを捨て、違反ごみも多いことが悩みの種だった。

 そこで自治会は昨年11月、車の通りが多い市道沿いにあったごみステーションを廃止し、脇道など4カ所に分散設置した。会員が各家庭を回って事情を説明し、改めて分別の徹底を周知した。すると12月以降は違反ごみが減り、周囲の景観も改善された。

 伊東一成自治会長(65)は「大量のごみがまとめて置いてあると違反ごみを持ち込みやすいと感じるのだと思う。住民同士の顔が見える小さい単位で管理することで意識向上にもつながった」と手応えを語った。

 熊本市廃棄物計画課は熊日の取材に「今までは自治会任せになっていた部分もあるが、今後はごみ出しに関する市民意識調査をするなど、さまざまな形で関わっていきたい」とした。(岡本遼)

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