終盤の2発…えがスタが揺れた! 6日PO2回戦は今季最後のホーム戦<WEBコラム・赤馬のキセキ>
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やってくれると信じていた。10月30日、ロアッソ熊本が大分と対戦したJ1参入プレーオフ1回戦。0-1の終盤に2発のゴールが決まると、1万3千人超が詰めかけたえがお健康スタジアムが揺れた。最後まで走り続け、土壇場でひっくり返した赤馬イレブンの底力を改めて感じた。
隣県同士の九州対決。スタンドはロアッソの赤と大分の青で彩られた。互いのゴール裏から地鳴りのようなチャント(応援歌)が響き、記者席から見る光景は圧巻だった。「どんなプレーを見られるんだろう」と、試合前から胸が高鳴った。
ロアッソは開始20秒足らずで失点。強烈な先制パンチを食らい、思わずのけぞった。その後も大分の気持ちのこもったプレスに苦戦した。前半42分、自陣でボールをカットされ、ポスト直撃のシュートを浴びた。2点差になっていたら試合が〝終わっていた〟可能性もあった。「運はある」。ハーフタイムに何度も繰り返した。

後半は無尽蔵の体力を誇るロアッソの強みが現れた。10分過ぎ、プレーが途切れると大分のDF三竿雄斗が両膝に手を当てて息を整えていた。前半から相対したFW杉山直宏が積極的に繰り返したアタックがじわじわと効いた。全体的に運動量が落ちた相手を、ロアッソは少しずつ押し返し、何度もゴールに迫った。
そして42分。FW坂本亘基の同点弾でチームが目覚めると、5分後に完璧な崩しから勝ち越した。途中出場のFW粟飯原尚平が放ったグラウンダーのシュートはポストに当たりゴールに吸い込まれた。規定により引き分けでも勝ち上がる状況。「よっしゃー」。ロアッソの2回戦進出を決定付ける劇的ゴールが決まった瞬間、喜びが爆発した。
前半の大分のシュートはポストに弾かれ、粟飯原のシュートはゴールの内側に転がった。ロアッソを応援する全ての人の思いがボールに乗り移ったと思わずにはいられなかった。
結末は2-2で引き分け。試合後、選手たちは冷静だった。「体力なら負けない。後半に押し返せると思っていた」(DF菅田真啓)。「スカウティング通り、FWで競ったボールがDFの後ろに転がってきた」(坂本)。

「ヘディングが強く一発がある」とリーグ戦で出番が少なかった粟飯原を大一番で起用した大木武監督の読みもズバリと当たった。決して運だけじゃない。緻密に準備し、今季積み重ねたものを発揮したチーム全員の〝勝利〟だった。
6位山形との2回戦は、再び「えがスタ」が舞台。今季の〝44試合目〟をホームで迎えることができるのはJ2でロアッソだけだ。「最後の最後まで運営準備ができるのは幸せ」と笑顔を見せたクラブスタッフの言葉が印象的だった。
次の2回戦がロアッソにとって今季最後のホーム戦。最強ロアッソの雄姿を目に焼きつけたい。スタジアムに足を運び、一緒に勝利を手にして、敵地であるJ116位との入れ替え戦に乗り込もう。(後藤幸樹)
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熊本市出身。早回しの歌に乗せた形態模写やデフォルメの効いた顔まねでデビューして45年。声帯模写も身に付けてコンサートや座長公演、ドラマなど活躍の場は限りなく、「五木ロボ」といった唯一無二の芸を世に送り続ける“ものまね界のレジェンド”です。その芸の奥義と半生を「ものまね道」と題して語ります。