流水型ダム、流域住民から異論相次ぐ 球磨川水系の治水整備、公聴会始まる

熊本日日新聞 | 2022年4月24日 08:30

3人が意見を述べた球磨村での球磨川流域の河川整備計画の公聴会=23日午後7時40分ごろ、球磨村の球磨中(小野宏明)

 国土交通省と熊本県がまとめた球磨川水系の河川整備計画原案に対する流域住民の公聴会が23日夜、始まり、球磨村で3人、多良木町で1人が意見を述べ、国が計画する川辺川への流水型ダム建設に異論が相次いだ。27日まで10市町村で計33人が意見を述べる予定。

 原案では、流域住民の命と環境を守る「緑の流域治水」を推進するとして、国内最大規模の治水専用の流水型ダムや遊水地、堤防の整備、河道掘削などを盛り込んでいる。

 球磨村の球磨中体育館では10人が傍聴。被災者団体の代表で医療事務の男性(51)は「荒廃した山林の対策を進めるべきだ。流水型ダムの治水効果、環境負荷は未知数。再考を求める」と主張した。渡地区の元区長の男性(68)は「命を守るのはダムではなく、一人一人の心構えや防災教育だ」。八代市の自営業の男性(70)は「整備計画策定のため、住民参加の討論会を開くべきだ」と訴えた。

球磨川流域の河川整備計画の公聴会で意見を述べる男性=23日午後7時10分ごろ、球磨村の球磨中(小野宏明)

 多良木町の多目的研修センターでは2人が傍聴し、保育士の女性(69)が「自慢の球磨川が永遠に清流であってほしい」と堆積土砂撤去などダム以外の対策を求めた。

 国交省は2020年の豪雨災害を受け、21年12月に長期の治水目標を定めた河川整備基本方針を見直し、従来目標を引き上げた。これを踏まえ、今後30年程度で進める対策として整備計画の策定を進めている。公聴会は、整備計画に住民意見を反映させるため河川法で定めた手続きの一つ。

 国交省は公聴会と別に5月6日まで募集中の意見も合わせて検討し、計画案を策定するとしている。公聴会を当初予定した12市町村のうち、湯前町と水上村では意見公述の申し込みがなく、開催を取りやめた。(中村勝洋、川野千尋、元村彩)

球磨川流域の河川整備計画の公聴会で意見を聞き取る県と国の職員=23日午後7時25分ごろ、球磨村の球磨中(小野宏明)
球磨川流域の河川整備計画の公聴会で意見を述べる男性=23日午後7時15分ごろ、球磨村の球磨中(小野宏明)

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