よく分かる 水俣病Q&A

熊本日日新聞 | 2022年4月25日 15:57

Q1 水俣病はなぜ起きたのですか。

 水俣病は、毒物が海に垂れ流されるところから始まりました。毒物とは、さまざまな化学製品の原料となるアセトアルデヒドを生産するときに発生したメチル水銀です。チッソという会社の水俣工場から、排水と一緒に不知火海に流されました。水銀を取り込んだプランクトンを小型魚が食べ、小型魚を大型魚が食べ、大型魚を人間が食べて水俣病になりました。えらなどから直接入った水銀もあります。水銀によって健康を害する例はほかにもありましたが、食べる、食べられるという自然界のつながり「食物連鎖」を通して人間が被害に遭ったことが、水俣病の大きな特徴でした。

Q2 水俣病はどんな病気ですか。

 体内に取り込まれたメチル水銀は、脳や神経に悪影響を及ぼします。その結果、感覚が鈍ったり、真っすぐ歩くことができなくなったり、見える範囲が狭くなったりします。聞こえにくく、言葉もはっきりしません。水俣病が見つかった当初は、症状の激しさのあまり亡くなる人もいました。母親とおなかの赤ちゃんをつなぐ胎盤はそれまで、毒物は通さないとされていましたが、メチル水銀は栄養物と一緒に胎盤をすり抜けて赤ちゃんにも悪影響を及ぼしました。このように初めから被害に遭って生まれてきた人たちのことを、胎児性患者といいます。

Q3 これまでに何人が水俣病になったのですか。

 ひとまとめに何人と言えないところに水俣病の複雑さがあります。熊本県と鹿児島県が水俣病と認めた認定患者は2千人余り。チッソが1800万~1600万円の一時金や療養費を支払うなどして償いをしています。認定はされていないものの、メチル水銀による何らかの被害が認められた人には過去2回、200万円台の一時金を払ったり、病院代を無料にしたりする「救済」がありました。対象は1回目は1万1千人余り、2回目は3万6千人余りに上りました。ほかにも、手を挙げていない被害者が大勢いると考えられています。

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