立田山に「山」の文字、小学生が〝発見〟 自然にできた? 中腹には「水」も
熊本日日新聞 | 2022年2月15日 06:49
「熊本市の立田山(標高152メートル)に『山』という文字があるのを小学1年生の息子が見つけた。自然にできたものでしょうか?」との疑問が、熊日の「SNSこちら編集局」(S編)に寄せられた。1年生が見た場所近くの坪井川遊水公園(同市北区)に行き、約1キロ東にある山肌を眺めるが、なかなか見つからない。「あっ、あれか!」。よく見つけたなあ、と感心しながら取材に向かった。


「山に名札みたいに『山』と書いてあった」とうれしそうに話すのは、下校中に見つけたという高平台小1年の田中優音[ゆうと]君。姉で同小2年の音々[ねね]さんは「教えてもらうまで気付かなかった」と振り返る。優音君が最初に気付いたのは昨年10月で、今よりもオレンジ色だったという。なるほど冬よりも、紅葉時季の方が文字が目立つらしい。
山の一部を管理する林野庁所管の森林総合研究所九州支所(同市中央区)によると、場所は同支所の実験林だという。
1986年3月、実験林で火災が発生。人的被害はなかったが、約6ヘクタールの松など約1400本を焼いた。山の文字はその2年後の88年に植栽されたことが記録されていた。ただ「詳しい経緯などが残っておらず詳細は分からない」と同所地域連携推進室の根本成雄室長(53)。
文字の大きさは、横50メートル、縦65メートル。常緑樹の山肌に、落葉樹のヤマザクラとヤマハゼ、イチョウが植栽され、季節ごとに花や紅葉で「山」が浮かび上がるそうだ。
さらに「実は立田山には山だけでなく、『水』の文字もある」とも教えてくれた。山の文字の近くにある立田山配水池には、ツツジで植栽された水の文字(25メートル四方)があるという。
管理する市上下水道局(同区)に聞いたが、こちらも詳しいことは分からず「昭和30年代、配水池の整備の際に植えられたようだ」とのこと。
現地を訪ねると、水の文字は地上からでは判別が難しかった。このため小型無人機で上空から撮影すると、はっきりと確認できた。衛星写真サービス「グーグルアース」でも探すことができる。
実は24年前の熊日の「ハイ! こちら編集局」でも、立田山の山の字が偶然できたかどうかという投稿があり、市の担当課が「初めて聞いた。全くの偶然だと思う」と回答。しかし、その記事を受け、森林総合研究所が「私たちが造った」と名乗りを上げ話題となっている。以前から気になっている人が多かったようだ。
なぜ山の文字に決めたのか? 同所職員からは「木だと水と間違いやすいからでは」との珍説も飛び出したが、詳しいことは分からないまま。ただ、熊本市街地に残る里山を散策する楽しさを、小学1年生の“発見”があらためて教えてくれた。(鬼束実里)
熊本のニュース記事一覧
-
熊本地震で被災、益城町新庁舎が「最後の落成」 県内8市町の立て替え完了 5月8日に業務開始
熊本日日新聞 | 2023年3月28日 21:20
-
益城町の県道熊本高森線4車線化、一部開通 熊本地震から7年を前に 渋滞緩和や災害時の輸送路確保へ
熊本日日新聞 | 2023年3月28日 20:49
-
【水俣・芦北発】カキ養殖10年、今や特産品 小ぶりでも濃厚、安定生産へ知恵絞る
熊本日日新聞 | 2023年3月28日 20:39
-
保護猫「家族として大切に」 熊本・八代清流高生が譲渡会を開催
熊本日日新聞 | 2023年3月28日 20:37
-
豪雨被災者の支援続ける九州看護福祉大生、人吉・青井阿蘇神社に竹ぼうき奉納
熊本日日新聞 | 2023年3月28日 20:34
-
CG教育で産学官連携 天草工高など、地域活性化目指す
熊本日日新聞 | 2023年3月28日 20:30
-
<とぴっく・球磨村>桜をライトアップ
熊本日日新聞 | 2023年3月28日 20:29
-
<とぴっく・八代市>コーヒー移動焙煎車で被災地応援
熊本日日新聞 | 2023年3月28日 20:28
-
<とぴっく・天草市>新学卒地元就職者の合同入店入所式
熊本日日新聞 | 2023年3月28日 20:28
-
<とぴっく・上天草市>1年遅れの卒業記念植樹
熊本日日新聞 | 2023年3月28日 20:27