ズボンやスカート、性別に関係なく選べる制服を 小国中生が模索 SDGs学習きっかけに

熊本日日新聞 | 2022年01月16日 07:38

昨年10月、小国中の生徒会が開いた新制服案のファッションショー。一部女子生徒がズボン、一部男子がスカートを着用した=小国町

 熊本県小国町の小国中の生徒たちが、性別に関係なく制服にズボンかスカートを選べる仕組みの導入を模索している。総合的な学習を通してSDGs(持続可能な開発目標)を学ぶ中で、目標の一つである「ジェンダー平等」に着目。選択式へ変えようとの機運が生徒の間で高まった。ただ、一部の保護者は経済的理由から従来の制服を希望。学校は検討委員会を立ち上げ、導入の是非を協議する予定だ。

 県内では大津町の全9小中学校が2020年度から、ズボンかスカートかを選べる選択式の制服を導入。県教育委員会によると、八代高や熊本高などが選択式を導入しており、小中学校でも複数の市町村で検討されているという。

 小国中生徒会は昨年7~10月、生徒約150人と、同中に進学予定の小国小の5、6年生約80人、両校の保護者に新制服についてアンケートを実施。小国中生は「従来のまま」がゼロだったのに対し、「変えた方が良い」が43%だった。一方、中学生の保護者は「従来のまま」が21%で、「変えた方が良い」が25%と拮抗[きっこう]する結果だった。

 小学5、6年生は「新年度から変更」「移行期間を設けて変更」が合わせて96%を占め、「従来のまま」は4%にとどまった。小学生の保護者は「変更」が二つ合わせて77%、「従来のまま」が23%。生徒や児童に変更を求める声が多かったのに対し、小中学校とも保護者の2割は「従来のまま」を求めた。

 小国中の男子は詰め襟、女子はセーラー服を40年近く着用し、きょうだいや知人からお下がりをもらうことも多い。小国小PTAの笹原正大会長(40)は「生徒から変更の話が上がることは、自主性があって喜ばしい。ただ、経済的に厳しい家庭もあると思うので、慎重に協議する必要がある」と話す。

 生徒会は昨年10月、新制服案のファッションショーを企画。制服メーカーや、選択式を導入している菊池女子高(菊池市)から借りたズボンやスカートを生徒たちが着てアピールした。

 同12月上旬には、同小の保護者を対象に説明会も開催。来年度の導入は日程的に厳しいが、生徒会長の江藤優空[ゆうあ]さん(3年)は「性の多様性を認め、誰もが平等に生活できる学校になるよう理解を求めていきたい。後輩たちに活動を受け継いでもらいたい」と託している。

 町教委は「制服に関しては校則で定めている」と静観の立場。小国中は検討委員会を3学期中に立ち上げる計画で、狹間卓史校長は「生徒や保護者の意見を聞きながら丁寧に検討する」としている。(木村馨一)

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