「帰省家族と接した利用者多数いたから」コロナ禍、デイサービス突如休業 熊本
熊本日日新聞 | 2021年1月7日 11:04

熊本県南のデイサービス(通所介護)事業者が「4日の利用者の中に、正月に県外から帰省した家族と接した人が多数いた」として、新型コロナウイルスの感染防止を目的に5日から13日間の休業に踏み切った。事業所側は「クラスター防止に用心を重ねるため」とする。ただ、昨年同様の理由で高齢者の利用を禁止した事案について県は「不適切」と指摘しており、利用者からは早期再開を求める声も上がっている。
「母親を一人では家に置いておけない。どうしたらいいのか」
事業所に80代の母親を通わせている男性が、熊日の「SNSこちら編集局」に悲痛な声を寄せた。母親は昼食や入浴に介助が必要で、週5日デイサービスを利用してきた。男性も妻も仕事があるため頭を抱える。
男性によると、事業所から休業の連絡があったのは母親が4日にデイサービスに出掛けた後。男性は「感染防止であれば、送迎前に聞き取るべきでは。代替サービスの手配もない」と憤る。
これに対し、事業所の運営法人の理事長は「併設する特別養護老人ホームに感染を持ち込みたくなかった」と説明する。併設の通所リハビリ施設利用者の感染でクラスターが発生した熊本市内の施設が念頭にあるという。
デイサービス利用者は約30人。県外の人との接触の自粛要請や聞き取りはしておらず「唐突な判断となり申し訳ない」と話す。
介護保険法は、正当な理由なく介護サービスの利用を拒否することを禁じている。山鹿市の高齢者施設で昨年7月にクラスターが発生した後も、サービス利用を制限・禁止した県内事業所が複数あり、県認知症対策・地域ケア推進課は「要介護者への安定したサービス提供や人権の観点から不適切」と指摘。9月末、不当な利用制限をしないよう市町村を通して各事業所に通知した。
一方、理事長は「うちのような小規模の法人でクラスターが起これば、入所者の入院先や職員の人繰りが難航するのは目に見えている。不適切で過敏だとしても、用心に用心を重ねる」と強調する。
県老人福祉施設協議会の跡部尚子会長によると、一般的に施設利用者の家族が県外から帰省していても、利用者を迎えに行った際に検温し、発熱がなければ拒否しないという。
ただ「家族の感染が後で分かった場合はどうしようもない。通所施設は管理が難しい面がある」。県高齢者支援課は「大事をとる施設の事情もある。休業中の代替サービスなど行政に事前に相談してほしい」と呼び掛ける。(深川杏樹、福井一基)
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