復興へ頑張る、地域の誇り 青井阿蘇神社(熊本県人吉市)

熊本日日新聞 | 2021年01月04日 10:17

国宝に指定された青井阿蘇神社の拝殿。昨年7月の豪雨で床上まで浸水した=人吉市上青井町
昨年7月の豪雨で欄干が壊れた蓮池に架かる禊橋

 かやぶき屋根の堂々とした社殿が印象的な熊本県人吉市上青井町の「青井阿蘇神社」。家内安全などさまざまな御利益で有名だ。昨年7月の豪雨では国宝の楼門が冠水し、拝殿も床上浸水する被害に見舞われた。一歩ずつ復興へと歩みを進めている。

 同神社は平安時代初期の806年、開拓の祖を祭る阿蘇市の阿蘇神社から分霊し創建された。2008年、拝殿や楼門を含む建造物5棟が国宝に指定された。地元住民は親しみを込めて「青井さん」と呼ぶ。黒っぽいかやぶき屋根で覆われた社殿が並ぶ境内は、重厚で厳かな雰囲気が漂い、すがすがしい気持ちになる。

 本殿と幣殿[へいでん]をつなぐ通路には、剣と鐘に巻き付いた「阿[あ]」と「吽[うん]」一対の龍の彫刻が飾られている。その龍が描かれた御朱印帳とお守りが人気だ。

 昨年7月の豪雨で球磨川が氾濫した翌日の朝には、「青井さんを救わなきゃ」との会員制交流サイト(SNS)の投稿が発端となり、約50人の若者が社殿を埋め尽くした泥をかき出すために集結。「若者がそんな気持ちになってくれるなんて、こちらが勇気をもらった」と宮司の福川義文さん(57)。氏子総代の岩下博明さん(86)も「神社を慕い愛してくれる地域の人たちのためにも、復興を成し遂げなければ」と気を引き締める。

 楼門前の蓮池をまたぐように真っ赤な禊[みそぎ]橋が架かる。蓮の緑色と橋の朱色のコントラストが美しく、絶好の“インスタ映え”スポットだ。豪雨で池は泥で埋まり、橋の欄干が壊れたが、ボランティアなどによる復旧が着実に進んでいる。

 福川宮司は「復興へ向け頑張っている青井阿蘇神社の姿を見てもらうのが1番のパワーになる」と力を込める。(緒方李咲)

 青井阿蘇神社 九州自動車道人吉インターチェンジから車で約10分。JR人吉駅から徒歩で約10分。神社内には赤い鳥居が並ぶ青井稲荷神社も。人吉市街には人気アニメ「夏目友人帳」のロケ地も多数ある。青井阿蘇神社TEL0966(22)2274。

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