お地蔵さま、再び住民見守る 相良村の水害で流失 天草の団体が手作り、寄贈

熊本日日新聞 | 2021年12月07日 06:07

天草市の「御領石の会」が贈った手作りの地蔵。川辺川のほとりにたたずんでいる=相良村

 昨年7月の豪雨による河川の氾濫で地蔵が流失した熊本県相良村川辺の高尾野地区に1日、天草市の住民団体が手作りの地蔵を贈った。集落に暮らす西未[ひつじ]さん(89)が豪雨直後に熊日に寄せた投書がきっかけになった。

 地蔵は川辺川沿いの村道脇に置かれていた。作られた年や由来などは不明だが、地域を見守る地蔵として長年、住民に親しまれてきた。西さんもその1人。6年前からは毎日、散歩の途中に地蔵にお参りし、花を手向けたり、声を掛けたりしていた。しかし、川辺川の氾濫で辺りは1メートルほど浸水。地蔵も流されて行方不明になった。

 西さんは災害から約3週間後、地蔵への愛着や悲痛な思いをつづった文章を熊日に投書。記事を読んだ、石像を手作りする天草市五和町の住民団体「御領石の会」の原田浩到さん(78)が「何とか力になりたい」と寄贈を申し出た。

 天草市で採れる凝灰岩で新たに作った地蔵は5体。この日は会のメンバーと地元住民ら約10人が現地を訪れ、柔和な表情を浮かべる約30センチと約40センチの2体が奉納されるのを見守った。「住民の心が安らぐような場所に再び戻ってほしい」と原田さん。

 西さんは豪雨後に代えた散歩コースを、地蔵前を通る道に戻すという。「地蔵が無くなった悲しみは消えないけど、新しい地蔵もかわいらしい。体力が続く限りは花を手向けたい」と笑顔を見せた。(小山智史)

天草市の「御領石の会」から贈られた地蔵に手を合わせる西未さん(中央)ら地元住民=相良村

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