KMバイオ、「3回目接種」治験を年内開始 コロナワクチン、小児用も来春に 早期承認で実用化へ

熊本日日新聞 | 2021年10月25日 20:15

 KMバイオロジクス(熊本市)は25日、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、3回目の追加接種に使うための臨床試験(治験)を年内に開始すると発表した。小児用の治験も来春に始める。条件付き早期承認制度を使い、2022年度中の実用化を目指す。

 KMバイオが開発するのは従来型の不活化ワクチン。国内では既存のワクチンを2回接種済みの人は7割弱に達したが、12歳以上しか接種できず、副反応への懸念も強い。同社は今後、追加接種や小児用に不活化ワクチンのニーズが高まると判断し、照準を合わせる。

 治験は最終段階に入っており、ワクチン未接種の18歳以上2千人を対象にした第2/3相治験を、国内の医療機関で22日に始めている。最終の第3相治験も21年度内に始める方針。

 条件付き早期承認制度は、第3相治験に時間を要する場合、別の治験で一定の有効性や安全性を確認した上で、発売後に評価することを条件に承認する制度。25日、記者会見した永里敏秋社長は「追加接種用と小児用で早期承認が得られるよう国と協議していく」と述べた。

 第3相、追加接種用、小児用の各治験は、第2/3相治験と並行して進める。追加接種用は国内の医療機関で実施する計画で、既存のワクチンを2回接種した人に不活化ワクチンを接種し、安全性と有効性を確かめる。小児用の治験はワクチン未接種の18歳未満を対象に実施。最終的に対象年齢を生後6カ月まで引き下げる考えだ。

 第3相治験は、偽薬を使って発症予防効果を評価する従来方式ではなく、ウイルスの働きを抑える「中和抗体」の数値を既存ワクチンと比較する方式とする。ワクチン未接種者を対象に、数千人規模で海外を含めて実施する計画だ。

 KMバイオが20歳以上の210人を対象に実施した初期段階の治験では、重度の副反応は高熱が出たがすぐ下がった1人のみで、高い安全性を示した。年齢層が低いほど「中和抗体」が多くできる傾向も出た。(田上一平)

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