打った後に言われても… モデルナ製、若い男性の心筋炎に注意喚起

熊本日日新聞 | 2021年10月16日 10:00

モデルナ製のコロナワクチンが使用されているグランメッセ熊本の「県民広域接種センター」=8月、益城町

 新型コロナウイルスのワクチンを巡り、厚生労働省は15日、若い男性には米モデルナ製を接種後、心筋炎などの症状が出る割合が高いとして注意喚起することを決めた。1回目にモデルナ製を接種した人が2回目にファイザー製を選ぶことも認めるとした。これに対し、熊本県内でも10代の子どもの保護者から「打った後に言われても困る」など戸惑いの声が上がった。

 県内でモデルナ製を使っているのは、益城町のグランメッセ熊本に設置している「県民広域接種センター」と、企業や大学の職場接種。県によると、現時点で重篤な副反応の報告はないという。同センターでは、受験生や子育て世帯の専用枠を設け、若年層への接種を進めてきた。木村敬副知事は「情報収集に努めている最中で、厚労省は正確な情報発信と説明をしてほしい」と注文をつけた。

 接種を受けた当事者は複雑だ。熊本市中央区の中学3年の男子は、13日に同センターで2回目接種を終えたばかり。「ファイザーと迷った末、デルタ株に効果が高いと聞いたモデルナに決めたのに」

 母親(43)は息子の1回目接種後、スウェーデンなどが若者へのモデルナ使用を中断したことを知り、2回目の接種をさせるかどうか悩んだという。「今、こんな情報を聞くと不安が膨らむ。国には正確な情報提供をしてほしい」と話す。

 同区の40代女性は、中学3年の長女が3日に同センターで1回目の接種をし、2回目接種も予定している。女性自身はファイザー製を接種後、息苦しさや胸痛があった。「心筋炎の恐れが高いのは男性だけなのか。海外では男女とも取りやめた国もあると聞くので心配」と打ち明ける。

 9月上旬までに学生と教職員約1500人の職場接種を終えた熊本保健科学大でも接種後の救急搬送などはなかったが、「mRNAワクチンの効用についてはまだ十分にデータ化されていない。今後も慎重に見極めたい」と担当者。

 熊本大大学院生命科学研究部の松岡雅雄教授(血液・膠原[こうげん]病・感染症内科学)は「県内で接種後に心筋炎を発症した例はまれ。感染や重症化のリスクを比較して接種するかどうかを決めてほしい」。1回の接種でやめてしまうと十分な抗体が得られないとして「接種を希望する人は、2回目まで打ってほしい」と話している。(清島理紗、野方信助、志賀茉里耶)

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